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Part.56 懇親会(後編)Part2 彰子が小学校に入学してからはや3ヶ月。 たくさん友達ができ、楽しい学校生活を送っている。 そんな彰子にも心配事があった。 母の出産の事である。 2回目の出産も母は自宅出産を希望した。 胎児には異常がないのだが、なかなか出産の兆しが見えない。 母の美那子は出産直前だというのに、布団の上げ下ろしをしている。 「家事をすると、おなかの子が動くから。」 出産予定日は7月10日なのだが、予定日から10日も過ぎていた。 「あくまでも予定日だからね。」 母は悠然と構えている。 彰子にとって初めての夏休みがやってきた。 1学期の成績は彰子の苦労が報われ、よい成績を収めた。 彰子はスキップをしながら家路に着いた。 家に帰ると、父が嬉しそうな様子で言った。 「とうとうお姉ちゃんになるよ。」 彰子は父と共に母のいる和室へと急いだ。 母は額に汗をにじませ、苦しそうだった。 だが次の瞬間、耳をつんざく声が聞こえた。 それは赤ん坊の産声と、母の歓喜の叫び声だった。 赤ん坊が産まれた瞬間、彰子の目には涙が溢れていた。 2006年7月20日午後2時。 美那子は無事に女児を出産した。 彰子に妹ができた。 彰子は指を妹の手に絡ませた。 すると妹は彰子の指を強く握った。 赤ん坊は、理恵と名付けられた。 |