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Part.54 懇親会(前編) Part4 「松子ちゃん・・」 名前を呼ばれた途端、相手は逃げ出した。 「待って松子ちゃん!」 彰子はためらわずに松子の後を追った。 やがて2人は公園にたどり着いた。 「どうして逃げたの?」 彰子の問いに、松子はたどたどしく答えた。 「だって、あんたに悪いことしたから・・」 彰子はいじめられた時の事を思い出した。 あのときは松子も彰子もまだ幼かった。 「私はいじめられた時の事、全然気にしてないよ。」 そう言うと彰子は松子の側に座った。 松子は彰子の反応に驚いた。 再会した時、正直言って気まずかった。 何か言われるのではないのかと。 だが彰子は松子を許した。 彰子のいじめはようやく別の形で終止符を打った。 家に帰ると、直ぐに父の元へと行った。 「パパ、今日松子ちゃんに会ったよ。」 それを聞いた父は眉をひそめた。 「それでどうしたの?」 声がかすかに震えていた。 「松子ちゃんと仲直りしたよ。」 すると父は微笑んだ。 「そうか、それはよかったね。」 キッチンからは、いい匂いが漂っていた。 |