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Part.48 結晶 美那子は臨月を迎えていた。 最近は肌寒く、布団から出るのも億劫である。 弓月の考えで美那子は実家へと戻り、自宅出産するのである。 予定日を2週間も過ぎているのに、まだ産まれてくる気配はない。 そんなある日。 家族と食事中、美那子は破水した。 総司はすぐに助産婦を呼び、美那子を和室へと連れて行った。 美那子は陣痛に顔を歪めた。 何度も気を失いそうになった。 「頑張って!痛いけど、赤ちゃんも必死なの!頑張って!」 助産婦に励まされ、美那子は最後の力を振り絞った。 そしてー 「ほぎゃあ、ほぎゃあ」 家中に産声が響いた。 難産の末、産まれた赤ん坊は、元気な女の子。 弓月は子供が産まれると聞いた途端すぐに美那子の元へ駆けつけた。 「ありがとう、本当にありがとう。」 弓月は涙を流しながら美那子の手を握った。 赤ん坊の名前は、2人が考えた末、「彰子」と命名された。 花月は、一通り考えていたらしく、ちょっと不機嫌だった。 |