Desire

作:千菊丸さん



Part.33 災難

それから弓月は部屋にあった「風と木の詩」全巻読み返し、再び感動にむせった。
「う・・うう・・セルジュ可哀相に・・うう・・」
目元は腫れ、目は赤くなっていた。
「うっ、いかんこのままでは!」
弓月は台本を取りだした。
それから彼は役作りに励んだ。
「さあもっとぼくをごらん・・ぼくがどうやってその心に愛のくいをうちこむか見ておいでよ・・」
鏡の前でジルベールを演じていると何故か自分がジルベールだと錯覚してしまう。
コンコン
「弓月?弓月入るぞ。」
弓月はガラス戸の本棚に「風と木の詩」を直した。
花月が部屋に入ってきた。
花月は弓月が手にしてるライトグリーンの台本を見た。
「これは?」
「あ、ああ・・今度の土曜・・劇をすることになって・・」
「ほう。」
花月は納得したようだった。
「いいものを見せてやろう。」
花月は後ろに隠し持っていたものを出した。
「!」
それは薄紫色の、台本だった。
花月は台本の1ページ目を開いて、「キャスト」の部分を指した。
「オーギュスト・ボウ・・大江花月」
兄者・・兄者もか・・



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