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Part.29 策略 PART1 天狼の事も片づき、一安心した弓月は気を抜いていた。 だが・・。 ある夜、美那子から電話が掛かってきた。 「弓月の家で勉強会開いてもいい?」 「何の?」 「やっだぁ忘れちゃたの?中間テストよ。」 弓月は天狼の事ばかり考えて中間テストの事をすっかり忘れていた。 いかん、このままでは俺のプライドと学年トップという地位が危なくなる・・。 落ち着け、落ち着くんだ・・クールになるんだ、クールに。 「兄者〜!」 弓月は花月に救いを求めた。だが花月の顔は般若の様に険しかった。その怖さといったら・・。 「テスト勉強を怠ったのであろう?」 「何でわかるんだ兄者?」 「ほれ。」 花月は怒りに震えた指で1冊のノートを見開きにしてあるページを示した。 そのページは、空白だった。 「まだあるぞ。」 花月はパラパラとページをめくるとあるわあるわ何十ページにもわたる空白のページが。 「更に。」 花月はノートを閉じ、表紙を見せた。 表紙には、『数学』とはっきり書かれていた。 だがこれだけでは終わらない。 花月は週に1回行われる小テストの答案用紙を指し示した。 そこには「12」や「5」、果ては「0」と書かれた用紙もあった。 紛れもなく数学が1番の得意科目である弓月が取っている点数である。 担当の教師のコメントも書いてあった。 「空白が多すぎます。次回はしっかり家で復習してこよう。」 花月はそれを読み上げた。声が数段低い。相当怒っている。 「・・・・兄者・・俺にも事情が・・」 「どんな事情じゃ?この点数を取ったのはお前ぞ。事情があったからとて、勉強できるはずじゃ!なのに、なのにお前は呆けた様に何もせず、遊んでばかりではないか!」 花月は声を張り上げた。 「いいか、今後このようなことがあったら保護者会で取り上げられ、非難されるのじゃ!財閥でお前が通う学校のスポンサーのこの俺が!評判はガタ落ち、お前はいじめられ、やっと落ち着いたのにまた引っ越さねばならぬ!これで何度目じゃ?前は暴動を起こし、その前は賭け麻雀で・・ええい、思い出してもキリがない!もう、こんなのが自分の弟だとゆうのが恥ずかしい!よいか弓月、これからみっちり兄がお前の根性をたたき直してやる!」 大変なことになった。 前に弓月は賭博をし、それが花月にバレ、稼いだ金は全て没収されてしまった。 その後弓月は花月にみっちり勉強を教え込まれた。 そしてテスト初日ー 弓月は3時間必死に問題を解き、見直した。 弓月は疲れ果てた。これがあと2日も続くのか・・。 2日目はどうにかできたものの、全て合っているという自信はなかった。 そして最終日。 待ちに待った数学が初っ端からある日である。 終わったとき、弓月は満点であるというのを確信した。 だが。 その後答案が返されると、弓月は絶叫した。 「98点〜!」 まさか・・そんなはずはない・・そんなはずは・・ちゃんと・・ちゃんと書いたはず・・ 「先生!配点が間違っています!」 「いや、間違ってはいない。」 「いいえ間違ってます僕は答案用紙に全て答えを書き込みました!」 「今回は君の授業態度が悪かったから2点ひいたのだよ。」 弓月は絶望の色を隠せなかった。 |