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Part17.眩暈 弓月はかずみの葬儀に向かう途中、晴明に会った。 晴明はモデルスタイルで立っていた。 弓月は見ないふりをした。 足早に立ち去ろうとした時、晴明は瞬間移動で弓月の目の前に現れた。 「ひぃ!」 思わず声を上げる弓月。 「ふふふ、こんなところで会うとは・・喪服も似合うなぁ・・ふふふ・・」 目が血走ってるぞ、晴明。 そして晴明は、持っていた紙袋の中から西洋風の喪服を取りだした。 「さあ、これを着るのだ!」 弓月はまたしても、晴明の犠牲になった。 西洋風の喪服を着せられた弓月は、迷惑そうに晴明を見た。 (本当にこいつ、安倍晴明か?こいつが美那子の主人か・・美那子も苦労するなぁ) だが晴明は。 「うおー、浜崎あゆみだー!似合うぞー!」 「誰が!」 「こっち向いて!」 こうして弓月は、金魚のフンの様についてくる晴明とともにかずみの葬儀へと向かった。 黒いドレス(胸にスリットが入ってる)に真珠のネックレスという格好の弓月は、思いの外目立った。 かずみの家族(特に母親)からは「何よ、その格好!」と非難されたし、 「まあ、何なの、非常識な。」 「場所をわきまえて欲しいわ。」 周りのオバタリアンにも悪口を言われた。 こんなんなら家で寝込んでればよかった。 何もかもこいつの・・ 弓月は晴明を胡散臭そうに見た。 「おい、俺の喪服よこせ。」 「これでもいいだろ?」 「良くないっ!」 弓月は、晴明を殴り倒してから脱衣所で黒の打ち掛けと小袖に着替えた。 (全く、一体何考えてるんだか・・) 怒り心頭で小袖に袖を通す。 と、その時。 「おねぇちゃん。」 「?」 見ると、4歳くらいの男児が立っていた。 「何か用か?」 「のど渇いたの。」 「水飲め。」 するとその子は弓月の胸に手をのせた。 「おっぱいがいい。」 「出ない。」 弓月がそう言うと、その子が泣き出した。 「おっぱいがいい、おっぱいがいい。」 「だー、もう!」 弓月はついにキレた。 「おねぇちゃんは男なの!おっぱい出ないの!」 「嘘だもん!ぼくのママおっぱい小さいけどおっぱい出たもん!」 「だーかーらー、俺は男なの!」 騒ぎを聞きつけた大人達が脱衣所に駆けつけた。 (うげっ、ヤバイ・・) 大江弓月、16歳(実は828歳)最大のピンチ。 |