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Part13.弓月昔話(その4) しばらくして俺は沖田達と仲良く暮らしていた。 ある夜。 俺は自室で寝ていた。 するとそこに兄者が現れた。 690年振りの再会だった。 「おお弓月・・・会いたかった・・」 兄者はそう言って、俺を抱きしめた。 その時、背中に鋭い痛みが走った。 「!」 気が付くと、兄者が爪を立てていた。 兄者は、憎々しげに俺を見た。 「あ、兄者・・」 「陰陽師などと通じおって、この・・」 「誤解だ兄者、俺は・・」 「だまりゃ!」 兄者は俺の背中にますます爪を食い込ませた。背中からは血が滲んでいた。 しばらくして兄者は俺の服を剥ぎ、そして・・この先はもう思い出したくない・・ 俺は気を失い、目が覚めたときは船の中だった。 「・・・」 「目が覚めたか。」 目の前に、兄者がいた。兄者は、紫の黒のドレスを着て2連のダイヤのネックレスをしていた。 兄者は言った。 「弓月、俺達は今この船でフランスに向かっている。そこで俺とお前は貴婦人になり、ある男の財産を 奪うのじゃ。」 俺はこの時まだ、兄者が言ってる意味が分からなかった。 その内船はパリに着いた。俺は青い絹のドレスを着て、真珠のネックレスをつけ、テンの毛皮のコートを着て兄者とともに船を降りた。 この瞬間から、俺の苦難の日々が始ろうとしていた・・ |