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在原家の養子となった千寿丸は、聖光学院まで車で送り迎えの日々を送っていた。 学校から帰ると、家でピアノのレッスンを5時間した。 ピアノの先生は、高名なピアニスト、ミスター・シュトラヴァスキーである。 「君は将来、ピアニストとして成功するよ。」 ミスター・シュトラヴァスキーに誉められた千寿丸は、顔を輝かせた。 だが、千寿丸はこの家に居場所がなかった。 千鶴子は何かと千寿丸に辛くあたり、「あの女にそっくりだよ」と怒鳴りながらテニスラケットで殴った。 父・高岳は千鶴子が怖くて、千寿丸がいじめられても傍観していた。 そして義理の兄・業平は、毎晩酒を飲んで千寿丸の寝室に入ってきては暴力を振るっていた。 千寿丸は諸兄のところに帰りたいと思った。 (こんな日々を送るなら、諸兄さまと暮らした方がよかった。) 「阿じゃ梨様、何故死んでしまったんですか?」 阿じゃ梨様の遺影を抱きしめながら、千寿丸は頭から布団を被って泣いた。 ある日、ピアノのレッスンが終わり、千寿丸が部屋に戻ろうとすると、千鶴子が腕を組んで立っていた。 「おばさま・・」 「お前、いい気になるんじゃないよ。」 そう言うと、千鶴子は千寿丸の手の甲をつねった。 「ピアニストに誉められたからって、あたしがあんたを音大に行かせると思ってるのかい?お前はうちに貰われてきた可哀想な孤児なんだよ。自分の立場を考えるんだね。」 「おばさま、でも・・」 千寿丸が言いかけると、左頬に激痛が走った。千鶴子が強烈な平手打ちを見舞ったのだ。 「おばさま?よくそんな口がきけるね。ママとお言い。言わなかったら承知しないよ。」 そう言うと、千鶴子は仕事をしに自室へと戻っていった。 千寿丸はその場に蹲って泣いた。 在原家の養子となるも、義母と義兄のいじめと暴力にさらされる千寿丸。 韓国ドラマによくあるパターンですね。 次回、恋人と無理矢理引き離された千寿丸は、家を抜け出します。 |