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業平は人気のないオフィスで企画書を仕上げていた。 昼に諸兄と交わした会話が、頭からこびりついて離れない。 あれから2日経つが、諸兄から何の連絡もない。 (もうあいつとは終わったのか。) 諸兄とは物心ついてからの親友だった。 親友がいない辛さが、今になって身にしみてきたが、覆水盆に返らずだ。 企画書を完成させ、夜10時に帰宅した。 玄関に入ると、母が不機嫌な顔をして腰に手をあてて立っていた。 「業平さん、こんな時間までどこいってらしたの。今夜はあなたの好きなクラムチャウダーを作ってさしあげていたのに。」 高岳の妻・千鶴子(ちずこ)は、今年で65歳だ。悋気が強く、父の初恋の人・美岬を殺そうとしたことがある。権力に対する執着もすざまじく、在原家の繁栄のためならどんなにあくどいことでもする。 「それじゃあいただきます。」 千鶴子は元華族の出身で、結婚前は有名なファッションデザイナーとして活躍していた。だが業平を妊娠してから仕事はやめ、高岳と結婚したのだ。千鶴子は業平を目の上のたんこぶのように扱った。 仕事一筋だった千鶴子は、専業主婦として生きることを最もいやがった。 高岳が家庭を顧みなくなると、仕事を再開し、現在彼女が手がけるブランドはパリコレで高い評価を得ている。 「明日から私、パリに行って来るわ。ブティックの開店準備があってね。」 千鶴子は葉巻を吸って言った。 「私向こうで暮らそうと思うのよ。お父様との仲はもう終わったし。それに、この家での私の役目はもう終わったしね。」 そう言うと彼女は寝室へと上がった。 翌朝、朝食の席で高岳は千寿丸のことを千鶴子に話した。 「あの女は死んでも私を苦しめるのね。」 そう言い捨てて、彼女はパリへと向かった。 諸兄と業平との関係は昼の一件以来、ギクシャクしていた。社内であっても目線を合わさず、挨拶もしない。 少年時代からの2人の関係はもう終わった。 業平は聖光学院に足を運んだ。 千寿丸を学院内のカフェに呼び出し、昨夜の一件を詫びた。 そして業平は千寿丸とドライブに出かけ、ホテルに泊まった。 「もうそろそろ帰りませんと。諸兄様が心配しますから。」 「そうか。」 そう言うと業平は千寿丸を押し倒した。 業平さんが壊れてしまった。 業平の母・千鶴子さんが登場。悪役キャラです。拓尊とまともに勝負できそうな人です。諸兄さんと千寿丸の人生を狂わせるのも、この人です。 色々な意味でキーパーソンとなる人です。 イメージとしては、夏木マリさんです。 阿じゃ梨様を全然出していません・・彼もキーパーソンなのに・・次回からはドンドン出していきますので。 |