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美岬の葬儀は滞りなく行われた。 千寿丸は、母との最後の別れを惜しんだ。 高岳は、千寿丸を引き取ることを千寿丸に言った。 「美岬の最後の願いだ。これからは父子仲良くやっていこう。」 千寿丸は黙って頷いた。 在原邸に向かう車の中で、千寿丸は業平の反応が気になった。 千寿丸を自分の弟のように可愛がっていた業平が、腹違いの兄弟だと知ったら・・。 「さあ、ここがお前の家だよ。」 「父上、来月の会議のことでお話しておきたいことが・・」 玄関から業平が出てきて、千寿丸と目が合った。 「千寿、どうした、こんな時間に?」 「業平、千寿丸はお前の腹違いの兄弟だ。」 重苦しい沈黙が3人の周りを覆った。 「嘘・・でしょう・・」 業平は千寿丸をちらちらと見ながら言った。 「父上・・まだあの女と続いていたのですか?」 高岳は首を横に振った。 「いや・・美岬は死んだ。」 「そう・・ですか。」 重苦しい雰囲気のまま、3人は在原邸へと入った。 高岳は少し休んでくるといい、寝室へと向かった。 業平は千寿丸をにらみつけながら、平手で打った。 「いままで母上と私を苦しめてきて、よくのこのことここにきたもんだな!」 業平のあまりの豹変ぶりに、千寿丸は目を丸くした。 「なんのことだが、わかりません・・」 「とぼけるな!父上の遺産を乗っ取ろうとしてるんだろうが!この疫病神!」 千寿丸は泣きながら在原邸を後にした。 業平さん、豹変す。 千寿丸のこと今まで可愛がってたけど、腹違いの弟だと知ると、いままで母を苦しめていた女に対する憎しみを千寿丸にぶつける・・。 諸兄との関係もこれから変化していきます。 |