|
阿じゃ梨様と暮らし始めて、早1週間が過ぎた。 千寿丸は恋人と育ての親に囲まれて、日々幸せだった。 そんなある日、阿じゃ梨様が千寿丸を呼んだ。 「千寿、お前に話しておきたいことがある。お前の親のことで。」 千寿丸は身を固くした。 いままで謎のベールに包まれていた千寿丸の出生の秘密が明らかになる。 阿じゃ梨様はゆっくりと話し始めた。 「お前の母御は、東洋財閥の1人娘・美岬(みさき)様じゃ。美岬様には初恋の人がいたーお前の父御ー株式会社アリワラ初代社長・高岳様じゃ。」 アリワラ初代社長高岳・・業平様が僕の兄! 「美岬様と高岳様は結婚を誓い合っていたが、アリワラと東洋財閥は犬猿の仲・・美岬様は泣く泣く愛してもいない男の元へと嫁いだのじゃ。高岳様との愛の結晶を宿してな・・それが千寿、お前じゃ。」 「高岳様には既に妻子がいた・・高岳様の妻は美岬様の存在を知り、嫉妬に狂い、美岬様を殺そうとした。高岳様は美岬様の妊娠を知り、美岬様と連絡を取ろうとしたが、美岬様は高岳様の前から姿を消していった。美岬様は人目を忍んで長野の病院でお前を産み、高岳様には子どもは死産したという嘘の手紙を書き、如意輪園を訪れ、儂にお前を預けたのじゃ。」 「美岬様・・お母様は今どこに?」 「美岬様は2年前に子宮ガンを患い、今は長野の病院で闘病生活を送っておる。」 千寿丸は、衝撃の事実に愕然となった。 いままで1人だと思っていたのに、僕にはお母様も、お父様もいる。そして腹違いの兄ー業平様も。 千寿丸は突然母に会いたい衝動に駆られた。 「お母様にお会いしとうございます。」 「そうか・・美岬様には儂から連絡を入れておこう。」 翌朝早く、千寿丸は阿じゃ梨様とともに長野の病院へ母を見舞いにやってきた。 「美岬様・・千寿を覚えていますか?高岳様との愛の結晶を。」 美岬はうっすらと目を開け、千寿丸の顔を優しくなでた。 「千寿・・お前、こんなに大きくなって。ごめんね、いままで寂しかったでしょう。お母さん、傍にいてやれなくてごめんね。」 千寿丸は母の手を握り、涙を流した。 「いいえ、お母様。千寿は幸せです。今まで1人だと思っていたのに、お母様がいると知って、うれしかったです。お母様、僕は1人じゃありません。阿じゃ梨様もいますし、諸兄様もいます。だから心配しないでください。お母様、会えてよかったです。」 「私もよ千寿、あなたと会えてよかった。」 千寿丸は美岬の病室を去ってから諸兄のアパートに帰るまで、涙が止まらなかった。 千寿丸の出生の秘密、明らかに。 原作では未だに明らかにされていないのですけど、私なりに書いてみました。 千寿丸と業平様は異母兄弟です。業平様はまだそのことをまだ知りません。 業平様のお父さんの名前、ウロ覚えで書いてしまいました、スイマセン。 美岬さんと高岳さんの愛の物語は、いずれ書こうと思っていますので。 いままで1人だと思っていた千寿丸に、父と母と腹違いの兄が出来たわけですが、このことが後に波乱を呼ぶことに。 次回は高岳さんを登場させようかなと思っております。 |