紅い華

第2章:プロジェクト


作:千菊丸さん
 東京の丸の内にある、巨大な高層ビル。
「藤原コーポレーショングループ」は、アジア・ヨーロッパ・南北アメリカ・中近東などに支店を持つ巨大企業で、テーマパーク産業や化粧品、福祉事業などに取り組んでいる財閥だ。
 藤原家は平安の御世から続く名だたる名家である。
 藤原家の末裔・藤原諸兄は、会議室でプロジェクトの概要を発表をした。
 そのプロジェクトの名は、リゾートプロジェクト。
 東京下町の商店街を、欧州風の街並みにし、市民の憩いの場とテーマパークにするというものだ。
 プレゼンテーションが終わり、諸兄はほっとため息をついた。
「おやおや、お疲れのようだねぇ。」
 諸兄の親友であり藤原家を肩を並べるほどの巨大企業・株式会社アリワラの御曹司・業平は、諸兄にコーヒーを差し出した。
「おお、すまん。」
 左手でキーボードを叩きながら、諸兄は業平からコーヒーを受け取った。
「全く、仕事のことになると夢中になるな、お前は。過労死しても知らぬぞ。」
「俺は仕事ができるしか能のない人間だ。」
 業平は親友の言葉にヤレヤレと言った風に肩をすくめた。
「お前が恋に落ちたら、変わるかもしれぬぞ?」
「なっ、馬鹿を言うな!」
 諸兄の顔が真っ赤になった。
「燃え上がり、身が焦げるような恋をしてみたら、仕事人間のお前もさぞかし変わるだろうよ。」
 そう言うと業平は去っていった。
「全く、あいつはいつも俺をからかいおって・・」
 コーヒーを飲み干すと諸兄はまた仕事に取りかかった。
 ふと、昼間会った少年のことを思いだした。
 雪のように白い肌、艶やかな黒髪・・美しい容姿をしていた少年は今何をしているのだろうか。
 名も知らぬ少年に、諸兄は思いを馳せた。








前回は初めての出会いは千寿丸sideで書きましたが、今度は諸兄sideで書いてみました。
2人が再会するシーンはいつか書いてみたいと思います。
この小説では諸兄は仕事人間で夜遅くの残業は連日連夜続いても平気なタイプで、恋愛には全く縁がない・・という設定にしております。
一方の業平様は、仕事も恋愛も万能なビジネスマン。仕事人間の諸兄を裏でサポートする。
原作の小説見てたら、そんな風に感じたので。

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