|
千寿丸と妙宝丸は、校長室の前の長椅子に座らされていた。 「全く、廊下で取っ組み合いの喧嘩など・・こんなことは学院の長い歴史の中では初めてだわ。」 若いシスターがため息とともに呟くと、年配のシスターも頷いて言った。 「我が聖光学院は清らかな天使たちの学舎として、輝かしい歴史の中での最大の汚点です!」 そう言って年配のシスターはキッと千寿丸を睨みつけた。 「シスター、彼は僕の血で神聖なる学院の廊下を汚したのです!」 妙宝丸がここぞとばかり自分が被害者であることを強調した。 「シスター、彼は僕の里親を罵ったのです!少年狂いだと!僕は暴力を振るったことを心底反省しております!人を中傷するのをやめない彼に、制裁を下したのです!」 千寿丸は腸が煮えくりかえるような思いで言った。 妙宝丸の挑発に乗って暴力を振るってしまったのは自分の非だ。 だが妙宝丸があまりにもひどい言葉で諸兄を侮辱したので頭に来たのだ。 「嘘付け!お前が理由もなく殴ってきたんだろ、この捨て子が!」 妙宝丸が反論した。 「うるさい!人の里親を侮辱したのは誰だよ!」 千寿丸も反論した。 両者互いに一歩も退かず、険悪な雰囲気が漂った。 その時、右手に豪華な指輪を嵌め込んだ老人がやってきた。 「お祖父様!」 妙宝丸が老人の元に走っていった。 「儂の可愛い妙宝丸や。」 老人は海坊主のような顔をしていた。眉は黒く太く、瞳は狡猾に輝いていた。 「シスター、儂の可愛い孫が何か?」 老人はシスターを見据えながら言った。 「いえね、お宅の妙宝丸君と、先日入ってきたばかりの千寿丸君が喧嘩を・・」 「喧嘩?!」 「お祖父様、あいつが僕の鼻にパンチを喰らわせられたんだ。」 老人がゆっくりと千寿丸に迫ってきた。 拓尊登場。 原作では悪役なので、この小説ではますます悪役度をアップしてみようかなと思います。 大学で色々と忙しく、書く暇がなかったので、すごい短いです。 |