個展起きて半畳寝て1畳
2007.9.4〜9 ギャラリー はねうさぎ

日本の古い言葉に「起きて半畳寝て一畳」というのがあります。
人ひとり暮らすのに最低限それだけのスペースがあれば充分だという事です。
でも、人にはゆとりが大切かと思います。
そこで、そのスペースにどれだけのゆとりを作れるか、
二人の作家に表現していただくことになりました。
ギャラリーはねうさぎ 巽育子
                 

 90cm×180cm×240cm(H)




びわ湖湖畔で過ごすティータイム
   


起きて半畳寝て1畳という究極のスペースを表す言葉は、禅につながる心を表す言葉です。
その中にどんな夢を盛り込むかが今回の課題でした。
愉快な課題を与えられて、私は幸福感に包まれて今回の制作を進めました。
寝て外を見るための窓。座した時の窓。立った時の窓。来客の時のお茶を飲むポーチ。
星を見る窓。玄関の扉。郵便受け。摘んできた野の花を飾るポケット。
設計するうちに、幼い少女の心がいつまでも私の中に息づいている事に愕然としました。
結婚、出産、子育て、介護と否応なく女として降りかかる役目を、なんとかこなして生きてきたけれど
なにひとつ変わらないで居る少女の心に涙があふれます。
老いを迎える女は壁のポケットにどんな記憶をしまいこんでいるのでしょうか。


おなじ課題を与えられたもう一人の作家二宮幸司氏の作品は
1畳サイズの電子レンジならぬ原始レンジでした。


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2007/10/25