先輩以上恋人未満vol.4(6.16.2004)
4.可能性
昨日の先生は変だった。いつもある意味変だけど。
ボケてる?って言うのが一番当てはまる表現かも。
資料を渡しに(開けっ放しだけど)扉をノックしたら、ものすごく慌てた表情でこちらを見るし。 何か見られちゃまずいものがあるのかしら。
助教授は入り口と対面式になるように机を設置しているので、パソコンの画面を覗き込むことはできない。
すごーーく気になるけれど。かといって聞くわけにもいかないし。

「ね、どう思う?今井」
「そりゃあ女宛でしょ」
「そんなにあっさり夢を打ち砕くようなことを」

昨日の出来事を今井君に話してみたら、あっさりこう言われてしまった。

「でも、実際このごろの先生ちょっとおかしいですよ」
「おかしいって?」
「最近日曜日来てないみたいなんですよ」

ええ!あの365日のうち360日は学校に来ていると噂される助教授が?
あやしい。とてつもなく怪しいわ。

「だから、女でもできたんちゃう?って先輩方が」
「ですから、いいかげん僕と付き合いません?」
「ません」

うーー、いつもの今井君のセリフはいいとして、日曜日に来ない先生。なにしているの?

「それに、教授のお見合いの話しも断ったみたいやし」
「ええええええ?お見合いの話しがあったの?それって初耳なんだけど!」
「翼ちゃんは周りが見えてないからねぇ。情報が入ってこないんちゃう?」

むかつくわ。こいつに言われると、本当のことでも。
実際あまり研究熱心ではなく、不純な動機がバレバレの私は研究室でも浮いた存在なのだ。
こいつのおかげで少しは馴染めてきている、という事実も腹が立つ。

そんなことより、助教授のことよ。どうしようほんとに彼女ができた?
今までそんな気配なんて微塵も感じさせなかったのに。
どうしよう。
やっぱり可能性は1%未満?


目次|Home|Text| Back|Next|