| 2.片思い歴 |
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長い片思いだよね。なにせ1年生のときから目をつけてたんだから。 学部1年生の授業で初めて見かけたときは、別にこれといって感じなかったんだよね。 先生は別にとりたててハンサムというわけじゃないし、しいて言えば背が高いぐらい？ 同じ学部だけでも大勢の人間がいる中で敢えて先生にチャレンジしようなんて気はサラサラなかったの。 でも、なぜかいつのまにか気が付けば目が先生を追っていて、その気持ちがなんなのか気が付かないままに先生のところに通ってた。 もちろん授業の質問をしに、だけど。 そのときの先生の受け答えが、これまた優しくて丁寧で。 この人に個人的に優しくされたら嬉しいだろうなぁ、なんて思ってしまったら最後、猪突猛進に突っ走っていた。 私って昔から考えなしだし。 とはいっても、バレンタインや（調べ上げた）誕生日にチョコやプレゼントをあげに行くなどという消極的な手段だけどさ。 しかも全部断られるし。 積極的に質問に行って二人きりに！なんて思っても助教授室のドアは常に全開。 なんでも今はセクハラ疑惑が相当恐ろしいらしく、まだ独身の一ノ瀬先生は特に注意しているらしい。 いや、先生にならセクハラされても訴えませんって。 はあ、最悪修了してからなら相手にしてくれるかな･･･。 そんなことを考えていたら。また今井にはたかれてしまった。 「なに考え事してんの。似合わん」 「あんたってばどうして毎日毎日、私につっかかるの。後輩の癖に」 「いや、精神年齢は俺の方が上だと思うし」 「うるさい。実験室行って実験してこい」 「ちゅーことで、僕と付き合いましょう」 「なにが、ちゅーことで、だ。とっとと行きやがれ」 今井君はへへっと笑って実験室に行ってしまった。 研究室の皆もなんだかあいかわらず仲がいいねーってかんじで見ているし。 あの子が入ってから私のペースはかきまわされっぱなし。 諦めの悪さが似ているのかな？ |