朝起きて、歯を磨き顔を洗う。毎日あたりまえのように繰り返している事。
のんびりと身支度を整えて、私は隣の家へ向かう。
そこにはあたりまえのように祐君が待っていてくれる。
「和奈、おはよう」
にっこりとさわやかに笑いかける。
あー、まぶしいかも。
毎日見てるけど、高校に入学した頃から、祐君をみるとドキドキするようになった。
こんなこと本人には内緒だけどね。
「うん、おはよー、祐君」
ドキドキを隠すようにできるだけ元気に挨拶を返す。
学校まで20分、毎日こうやって一緒に登校している。
帰りは祐君の部活が終わるのを待って一緒に下校。
待っている間は図書室で勉強などをしてみる。
私は夜寝るのが早いので、このペースはちょうど良い。
毎日一緒にくっついていて飽きないかって?
だって、記憶が無いぐらい小さいうちから一緒にいたもの、もう祐君がいない空間のほうが落ち着かない。ううん、考えられない。
日常がこんな風にして続いていけばいい。漠然とだけどそう思う。
祐君がいる日常。それは歯を磨くよりもアタリマエのこと。