幕間-彼の憂鬱-

雨、だなー。また部活中止かな?
しとしとと降りつづける雨を見ながら考える。
中止だと、今日も姫に会えないな。

ああ、俺ってこんなにみみっちい男だったっけ?
入学式で一目惚れして、その日に失恋。
人生の最短記録だよ、失恋の。
姫の、酒口さんの隣にはぜったい勝てないようないい男がいた。
しかも入学式早々一緒に下校、しかも手をつないで。
これで二人の関係に気が付かない人間がいるかっての。

後に、その憎らしいほどいい男である、高柳とは部活で知り合い、今では友だち、親友とまで言える間柄になったのだが。
そういえば、入学式のことを後であいつに聞いてみたら、あれは牽制だってしれっと答えやがった。
ああ、立派な牽制だったよ。くどきにいく勇気のある奴なんて一人もいないよ。


友だちの彼女をいつまでも想い続けるしつこい男、それが俺、山田仁17歳。

簡単にあきらめられたら良かったのに。

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