あとがき
シンデレラには憧れない、ようやく完結することができました。
ヒロインの年齢が高い上に、かわいい性格をしているとはいえない彼女なのに、最後まで読んでいただきありがとうございました。
典型的な価値観が古い地域の優等生の悲哀がベースのお話です。私自身割とそういうところに住んでいたため、そういった例を見聞きすることは多かったです。そのあたりをうまくお話にだせていると嬉しいです。今時、と思われると思いますが、「女に学は必要ない」「大学なんてみっともない」とストレートに言われることや、結婚した途端よき妻よき母になりなさいと、我慢を強いる母親というのも多いところだったりします。前者の例ですとわかりやすすぎて反論する気にもなれませんが、後者の例は言っていることは間違いではないので、なかなか複雑です。
タイトルのシンデレラは、定番の受身の玉の輿物語としてつけたのですが、シンデレラって結構したたかなところがあるなぁ、と思い、どうしようか迷いました。でも、白雪姫や眠りの森の美女では美貌で選ばれるのは同じだけれど、どうしてだか”玉の輿”というキーワードが絡んでこないんですよね。どちらも元々身分が高いからかもしれませんが。と言うわけで、そういう結婚や恋愛には私は憧れない、自分で切り開くんだ、というつもりでつけてみました。清水女史の場合切り開くどころか回れ右して見ないふりをしていたようですが。
清水女史は結局別居婚という選択をとりましたが、これに関して、今は浮かれている母親がごちゃごちゃ言ってくることは必死で、これからも一波乱二波乱ありそうな夫婦ですが、今までよりはずっとスマートに解決できるのではないかと思っています。その辺りのお話を書く予定はありませんが、ヒトコマ的なお話でこの二人が出てくるかもしれません。そのときには宜しくかわいがってくださると嬉しいです。
ちなみに、このお話の中で「恋シリーズ」の一ノ瀬氏は教授待遇の助教授として独立した研究室をかまえており(他大学への移籍ではなく、同大学間の学部移籍、工学部→理学部のような、なので転勤はなし)、しばらくしたら教授に昇進予定の模様。清水女史は助教授にあがったばかりで、その上へいくには最低5-6年はかかりそうです。そのあたりは能力差というよりもタイミング(空きがなければポストにはつけないですし、その空きが自分の実力や年齢と上手くあうにはタイムラグが数年単位で必要かもしれません)の問題です。
ともかく、最後まで読んでいただきまことにありがとうございました。これからもAsymmetryとよろしくお付き合いください。
本当にありがとうございました。
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Miko Kanzaki/1.12.2007supdate
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