北の国から ’01 (MAY's vir.)

「PARALLEL MINDS」 CONCEPTION
「PARALLEL MINDS」 CONCEPTION
ノルウェーのこのバンド、すでにこの世にはありません。
ありませんが、個人的にはとても大切なバンドです。
どうしても北欧様式美系というと透明感先行、
メタルとしての重さ軽視になりがちなイメージが
あるのですが、このバンドには透明感を保ちながらも
ハードロックとしての破壊力を兼ね備えています。
そして何より北欧様式美メタルのすばらしさを
僕に初めて教えてくれたバンドです。
そんなわけでこのアルバムはここで紹介している
中でもとりわけ思い入れが強い一枚です。
まずVo.のロイ・カーンは元オペラ歌手
(とは言ってもプロかどうかは知りませんが…)だそうで
透明感と力強さ、重さを兼ね備えた最強ヴォイス!
まさに鳥肌系!!純粋に唄だけならロニー・ディオや
ブルース・ディッキンソンやロブ・ハルフォードや
マイケル・キスク以上だと個人的には思っています。
そしてG.のトゥーレ・オストゥビーもザクザクっとした、
しかし華のある音を出しています。
このアルバムは曲も粒ぞろいで、北欧メタルの
隠れた名作なのではないでしょうか?
一つだけ残念だったのはこのアルバムに日本版
ボーナストラックとして収録されるはずだった
「Black on Black」という曲。アルバムには歌詞、対訳
まで収録されていながら「都合により」収録されませんでした。
どんな都合なわけ?実は「私を変えた〜」で紹介した
「THE POWER OF METAL」というコンピアルバム
にこの曲のライブ盤が収録されています。
で、これがまた凄まじい名曲!あまりに良すぎるため
ボーナストラックにできなかったんでしょうか?
だったら次のアルバムに収録してくれれば良かったのに。
この曲のスタジオ版が結局聴けなかったのが心残りです。
が、とにかくこのアルバムは凄まじいです。
これぞ北欧様式美の極地でしょう。


「THE TOKYO SHOWDOWN」 IN FLAMES
「THE TOKYO SHOWDOWN」 IN FLAMES
スウェーデン出身IN FLAMESの来日記念ライブ盤です。
このバンドは1st(ってゆうか日本版のボーナストラックで
本当は1stの後に出たミニアルバム)収録の
名曲「standablaze」がことに有名で、
ライブではこれを楽しみにする人もさぞや多かろうと
思っていました。
しかしこのライブアルバムには直近3枚のアルバムからの
選曲が中心で、その名曲が収録されていません。
それなのに!この完成度はどういうことでしょう?
つまり最近のアルバムではアルバム収録の1曲1曲が
「standablaze」級の完成度を誇っていると言うことです。
本当にとんでもないバンドに成長しました。
こうなったらメロデスとか何だとか全然関係ないですね。
個人的には4thよりは落ちると思っていた5thアルバムも
こうやって聴くとやっぱり至極の曲です。


「LIVE IN JAPAN」 VADER
「LIVE IN JAPAN」 VADER
一応北国かな?ポーランドのデスメタルバンドです。
驚愕の4thアルバム発表によりすでに当代最強の
メタルバンドであることはいうを待ちませんが、
3rd発表後の来日公演を収録したこのライブ盤も
とにかく強力です。SLAYER系のデスメタルバンドでは
これを上回るバンドは存在しないと思います。
特に3rdまではSLAYERと全く同じ方向性を示して
いましたから、そっち系が好きな人にはこのアルバムが
ベストかもしれないですね。北国バンドだとどこか透明感の
ある音楽性を思い浮かべますが、ここまでド迫力のデスメタル
バンドだってあるわけです。


「FOLLOW THE REAPER」 CHILDREN OF BODOM
「FOLLOW THE REAPER」 CHILDREN OF BODOM
フィンランド発ネオクラシカル・ブラックメタルバンドの
3rdアルバムです。
前2作の時点ですでに完成度は高かったわけですが、
そこから更に成長を遂げるあたりがバンドの中心人物たる
アレキシ・ライホの天才ぶりを雄弁に物語っています。
従前のアルバムではデスメタルの破壊性に北欧様式美
の繊細さと予定調和の確実性を持ち込んで独自の世界観を
形成していたわけですが、今作ではその方向性を変えないまま
多彩さを手に入れました。結局はメロデスに落ち着いている
わけですが、メロディアスでデスメタルなだけではないところが
飽きの来ない形で仕上がっています。


「WAGES OF SIN」 ARCH ENEMY
「WAGES OF SIN」 ARCH ENEMY
ARCHENEMYといえば北欧メロデス界の
最重要バンドの一つです。その彼らが
なんと女性Voを迎えて作成した4thアルバムです。
Vo.のアンジェラ嬢はカワイイし、
はじめは正直「をいをい女性Voかよ」とか思いましたが、
聴いてびっくりのデスボイスです。
アルバム全体としてはARCHENEMYのアルバム
にはメロディアスに過ぎる感もありますが、
かなりつかみの強いアルバムです。


「MOVING TARGET」 ROYAL HUNT
「MOVING TARGET」 ROYAL HUNT
これも北欧かどうか知りませんがデンマークのバンドです。
まぁ音楽性は北国系ということで。
ROYAL HUNTはこのころのVo.であった
D.C.クーパーのキャラとパフォーマンスが好きでした。
なんかいかにもロックシンガーって感じでした。
このバンドの音楽性は非常に繊細で、織り込まれた
タペストリーのような感じです。
それでもこのアルバムはロック色が強く、
スピードチューンというかヘヴィなイメージで、
ハードロックとして魅力的なアルバムになっています。
はじめの2曲がこのアルバムの方向性を
物語っています。この次のアルバムでは
恐ろしく完成度の高いコンセプトアルバム
を作成していますが、ハードロックとしても魅力的な
曲が演れるバンドです。


「EPISODE」 STRATOVARIUS
「EPISODE」 STRATOVARIUS
フィンランドのバンドです。このアルバムも
よく聴きました。BURRN!のアルバム人気投票に
投票したりもしました。
B級とか個性がないとかいろいろ言われましたが、
このアルバムは文句のない出来映えでした。
ジャーマンメタルと北欧メタルを非常に魅力的に
体現しているバンドです。
このバンドから参加したイェンス・ヨハンソン(Key)が
ティモ・トルキ(G)と繰り広げるバトルが聴きどころです。


「the best of ... BACK TO BACK」 PRETTY MAIDS
「the best of ... BACK TO BACK」 PRETTY MAIDS
HELLOWEENより古くからメロディックパワーメタル
を演っているデンマーク(北国?)のベテランバンドです。
このアルバムはベストアルバム。
このバンドを代表する名曲「BACK TO BACK」
に始まり、続く鳥肌系パワーメタルチューン「ATTENTION」
など、アルバムの流れもベストな選曲をベストな流れで
聴かせてくれます。
先にも書きましたがHELLOWEENよりもベテランバンド
なんですが、非常にHELLOWEENと近い音楽性です。
その曲調にのるのがややハスキー気味のまさに
パワーメタルを唄うためにあるようなロニー・アトキンスの
Vo。キーが高く、力強く、まさにメタルボーカリストですね。
最後に一つ、何でこのバンド、こんなバンド名なんでしょう?
とても気合い入ったヘヴィメタルバンドの名前とは
思えない(笑)


「DEAD,HOT AND READY」 WHICHERY
「DEAD,HOT AND READY」 WHICHERY
スウェーデンのバンド。
いわゆるデスラッシュというやつですね。
しかしメロデスとまでは行かないものの
印象的なメロディも所々に聴かせてくれます。
なんか北欧系バンドはたとえデスメタルをやったと
しても必ずこういったメロディアスな要素を持っていますね。
このバンドが面白いところは日本版ボーナストラック
として収録された「FAST AS A SHARK」、
「I WANNA BE SOMEBODY」、
「RIDING ON THE WIND」、「NEON KNIGHTS」
などの有名メタル曲のカバーなどからわかるように
デスメタル、スラッシュメタル以前からメタル聴いてたんだろうな
ということが音に現れているところ。
大体このアルバムタイトルからしてPRITTYMAIDSの
パクリなんでしょうしね(笑)
音の作り方も若いスラッシュメタルにしてはかなりしっかり
しています。


「The Gallery」 DARK TRANQUILLITY
「The Gallery」 DARK TRANQUILLITY
これもスウェーデンのバンドです。
このバンドを代表する名曲「Punish in heaven」が
収録されている2ndアルバムです。
メロデス創世期からシーンを代表するバンドです。
今ではかなり音楽性を変貌させましたが、
このころはまさにデスメタルでありながら印象的な
メロディが織り込まれているという「いかにも」なメロデス
をやっていました。当時購読していたBURRN!のCD評で
確か90点代がつけられていたような記憶があります。


「AM UNIVERSUM」 AMORPHIS
「AM UNIVERSUM」 AMORPHIS 音楽性を変貌させたのは上記のDARK TRANQUILLITY
以上のフィンランドのAMORPHIS。
すでにメロデスではありません。
デスメタルVoはすっかり影を潜め、曲もデスメタルでは
無いですから。それでもこのバンドには印象的なメロディ
があり、そのバンドがハードロックをやっているわけです。
ゴシック風という奴なんでしょうか。ラウドロックとまでは
行かないものの非常に先鋭的な音楽をやっています。