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浜崎あゆみメタル論


以前からそこここでカキコもしてきた内容ではありますが、
ここで再度論じてみたいと思います。

1.私感「浜崎あゆみ」

 今や押しも押されもせぬ当代最高の人気を誇る女性シンガー
の彼女です。シンガーという側面以外にも、人気アイドルであり、
ファッションリーダーとしてカリスマ的地位を確立しているという
まさに時の人であるということができます。とはいえ残念ながら
というべきか、個人的にはアイドルやファッションリーダーである
「浜崎あゆみ」には興味はありません。ただ彼女の曲には、
あくまでハードロックを愛聴する1音楽ファンとして魅力を感じる
ということです。
 レコード会社がavexということだけで、ある程度音が想像が
できるのではないかと思います。キャッチーなメロディーに
デジタルなサウンドをメインにしたサウンドはこのレーベルの
専売特許といってもよいかもしれません。(正直このレーベルの
ほかのアーティストについては詳しくないのでもしかしたら
的はずれなことを書いているかもしれません…)
しかしただそれだけならおそらく私が「浜崎あゆみ」の曲に
ハードロック的な魅力を感じることはなかったでしょう。
「浜崎あゆみ」をハードロック、そしてヘヴィメタルたらしめている
のはまず彼女の歌い上げるスタイルのVoの迫力、すべての曲に
共通する哀愁のメロディ、音圧の強さ、そして効果的に
組み込まれているギターサウンドといった部分でしょうか。
これらの要素はハードロック、ヘヴィメタルを聴くにあたって
大きな楽しみであるものであり、これらの音楽の最重要ファクター
である「格好良さ」を構成するものです。そう、「浜崎あゆみ」の
音楽はハードロックとして「格好いい」のです。
これをもって、世のayuファンがなんといおうとも「浜崎あゆみ」は
メタルであるといいたいと思います。
ちなみに彼女自身も洋楽ロックが好きで、パープルやKISSなど
よく聴いていたなどという話を聞いたこともあります。
彼女の音楽的背景には、ハードロックの洗礼を受けた過去が
あるということです。やっぱりayuはメタルですね。

2.音楽的変遷

 次に「浜崎あゆみ」の音楽的変遷をたどってみたいと思います。
はっきり言ってデビュー当時から追っていたわけでもなく、いや
それどころかブレイク後もしばらく無視し続けていたくらいなので、
聴き込み不足の感は否めないかもしれません。実はそれまでは
ベストアルバムとリミックスアルバム1枚ずつしか聴いたことはなくて、
このために1作目から3作目までレンタルし、かつ発売5日前なのに
なぜか販売されていた4作目を購入したくらいです(笑)。とはいえとりあえず
自分のメタル耳をたよりにこの4枚のオリジナルアルバムの短評と
それぞれのアルバムのメタル性について述べてみたいと思います。



「A Song for XX」

01.Prologue
02.A Song for XX
03.Hana
04.FRIEND
05.FRIEND II
06.poker face
07.Wishing
08.YOU
09.As if...
10.POWDER SNOW
11.Trust
12.Depend on you
13.SIGNAL
14.from your letter
15.For My Dear...
16.Present

 デビューアルバムです。このアルバムには現在の音楽性の方向性
は感じてとれるもの、あくまでavexというレーベル発の1アイドルの
アルバムといった趣です。代表曲である02、11、12なども含まれて
いますし、歌詞はかなり「浜崎あゆみ」の世界を展開していますが、
基本路線はアイドル声のVoのというイメージです。メタル指数は低い、
というよりもしも現在までこのままの路線であれば「浜崎あゆみメタル論」
などという思考自体生まれなかったことでしょう。
 なお、この文章はあくまで「浜崎あゆみメタル論」という観点で書いて
います。現在と比べれば歌唱力など発展途上であう感は否めないとはいえ、
このアルバムの品質が低いということを述べているわけではないので
念のため。歌詞などは現在より洗練されていない分むしろストレートで、
浜崎あゆみの詩の世界に共感を覚える向きには強烈なインパクトの
ある作品かもしれません。


「LOVEppears」

01.introduction
02.Fly high
03.Trauma
04.And Then
05.immature
06.Boys & Girls
07.TO BE
08.End roll
09.P.S II
10.WHATEVER
11.too late
12.appears
13.monochrome
14.interlude
15.LOVE〜refrain〜
16.Who...

 CD2枚組のアルバムですが、DISC2はリミックスバージョン
なのでDISC1から。ブレイク前後のアルバムであるため、
ヒットシングル満載のアルバムになっています。それ以外の
曲でも全作との大きな違いはまずはVoの迫力。このアルバム
で自分のスタイルを確立し、これだけ歌えていれば声だけで
アルバムの品質を高めています。またプロデュースも本気に
なったのか相当しっかりした、そしてavexらしいデジタルな
音づくりになっています。ところでこのアルバムからソングライター
が約半分入れ替わりになっています。曲の充実度からしたら
このアルバムが一番かもしれません。ayuの歌詞世界とマッチ
した楽曲がそろっていると思います。そしてメタリックな要素、
というより迫力の歌唱とかっちりした様式の曲、そして音圧と
哀愁のメロディなどがかなり目立ち始めたアルバムでもあります。
ハードロックayuのあけぼのといえるでしょう。

「Duty」

01.starting over
02.Duty
03.vogue
04.End of the World
05.SCAR
06.Far away
07.SURREAL
08.AUDIENCE
09.SEASONS
10.teddy bear
11.Key〜eternal tie ver.
12.girlish

 前作から比較すると格段にハードになりました。これくらいの
曲になるとVoが「浜崎あゆみ」でなくても歌詞が「浜崎あゆみ」
でなくてもハードロック認定可能です。しかしこれだけのハードで
ヘヴィな曲に乗っているのは紛れもないayuなんです。
 この迫力!そして耽美的ですらある歌詞の世界!うむむ…
メタルっすねぇ。なお、この時点ですでに「浜崎あゆみ」は超ビッグ
アーティストになっていますから、このアルバムでもヒットシングル
満載です。個人的にはヒョウ柄だからメタルだとは全く思わないの
ですが、これらのキャッチーでありながら相当の音圧を備えたアルバム
を聴けば改めて「浜崎あゆみ」はハードロック、そしてメタルだと確信
するものです。
 ちなみに普段は洋楽のハードロックやらメタルやららウドロックを中心
に聴いており、英語が堪能なわけでもなく、かつ歌っている方もまともに
歌う気などない(笑)バンドばっかり聴いてますからほとんど気にしたこと
がないのですが、このアルバムの歌詞はなんかすげぇですね。
この子はどんな人生を送ってきたのでしょう?

「I am...」

01.I am...
02.opening Run
03.Connected
04.UNITE !
05.evolution
06.Naturally
07.NEVER EVER
08.still alone
09.Day break
10.taskinlude
11.M
12.A Song is born
13.Dearest
14.no more words
15.Endless sorrows 〜gone with the wind ver.〜

 そして現在(01.12.26)では最新となる4thアルバム。
方向性は前作よりラフな感じになっています。デジタル風味が
多少減退していますね。いっそうハードロック的になった感じです。
なんでもこのアルバムでは「浜崎あゆみ」プロデュース、そして作曲の
大半も本人が手がけています。なるほど、ルーツはやはりこういう
方向だったわけですね。これまでの楽曲がハードロックであるばかり
でなく、このアルバムに収録されている「UNITED!」のPVでは、
迷彩服着て信念の拳を振りかざし、ACCEPTばりのフォーメーションを
決めています。そしてこの曲自体もスピードチューンですが、曲の構成が
イントロからブリッジ、そしてサビの部分になだれ込むなど、典型的な
メタル曲の盛り上げ方を取り入れています(多少偏見あり、この曲構成は
avexではglobeがよくやってますね…)。とにかくこの曲はかなり印象的な
佳曲です。個人的にはこの1曲だけでアルバム買う価値がありました。
この曲以外にもつづく05なども盛り上げ方もかなりハードなものだし、
メタルとは若干離れるものの07などは尾崎豊あたりのアプローチに
近いロック曲になっています。とにかく全作品中でもっとも生々しい
構成になっています。十分にデジタルな曲ではありますが、
プロモでこのアルバムではやりたいことができたと本人語っている
ように、ayuのメタル魂が発露したアルバムです。


3.総括

最後に何とかまとめなくてはいけません。ayuがメタルであるという発想
が自分に生まれたのはいつだったかayuの曲をどこかで聴いて「相川七瀬?」
と間違えたことに端を発します。相川七瀬はその時点ですでに自分の中では
AEROSMITHにあこがれるロックアイドルというイメージでしたし、その曲の
メタル魂は十分に認めるところで、さらに曲や周りのプロデュースもそういう
方向に意図的にし向けていたのは明白でした。その相川七瀬似の曲が
なんと今をときめく「浜崎あゆみ」だったわけです。う〜ん。。。一度そう
思ってしまうとだんだんとそんな気がしてくるもの。それからこの人の曲を
聴く際に「メタルかどうか」という観点が自分の中に芽生えました。そうして
発表されるシングルを数曲聴いてみると…意外なほどメタル、とまでは
いわなくてもハードロック的アプローチをとっていることがわかりました。
デジタルな音づくり、独特な歌詞世界、ファッションリーダー、カリスマ芸能人
という面だけではなく、その楽曲は高品質ハードロックを体現しています。
同じく歌姫といわれる宇多田ヒカル、倉木麻衣、小柳ゆきなどと比較しても
AOR風味やR&B風味は少なくハードロック的なアプローチをしてくれています。
宇多田ヒカルや倉木麻衣も好きでアルバム購入したりしていますが、Coccoが
活動を休止し相川七瀬も結婚、出産してから活動を縮小した今、ハードロック
ファンとして「浜崎あゆみ」には今後より注目していこうかと思っています。