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Opinion
 ・人道的介入・・
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人道的介入は難民の救援で

(1999.4.4 朝日新聞「声」欄掲載)

 NATO軍による、ユーゴスラビアへの空爆が続く。アメリカは「人道的介入」と称 して爆撃を主導しており、ホワイトハウスの発表では現地のアルバニア系住民の待 遇は良くなっているとしている。
 しかし、テレビなどで連日、国境にあふれる難民の姿や、住民たちの指導者がユーゴ当局に殺害されたなどのニュースが報じられているのを見聞きすると、実際、爆撃によりアルバニア系住民への弾圧は強まっているように思われる。混乱のさなかで弱者や少数意見の者が迫害されると言うのは簡単に予測がつくことである。
 アメリカは世界の警察を自負しているのかも知れないが、国連の承認を得ないまま武力行使に出るようでは、警察とは呼べないのではない だろうか。今、ここで必要な「人道的介入」とは、武力行使に走らず、迫害に遭っている人々を救援する事ではないだろうか。
 アメ リカは、事実上、世界一の力を持つ。だからこそ、強引な武力行使は自粛すべきだ。どうも、大国の威信や政略的な考え方により、本末が転倒してしまっているように思えてならない。

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