寒中お見舞い申し上げます

::::::::::ご挨拶 ::::::::::
  本年は、私の祖父が亡くなった年であります。 よって今年の版画は、亡き祖父を追悼して椿の図柄を描きました。
椿はその大輪が、落ちるさまから、首が落ちるようで縁起が悪いと言われてきました。

  ただ、私がこの椿に込めた思いは、少し違っています。 大きく咲いた大輪の椿の花。その花は美しい輝きを放ちながら、或る日、突然の死を迎えます。

  しかし、その死の傍らでは新しい蕾が、新たな花を宿してふくらんでいます。
死して地面に到達した古い花は、土に環えり、新しい花の養分となって次の世代を育てます。 そんな命の循環について受けた感慨を込めて、この作品を作りました

  祖父がこの世を生きた証は、私たち自身の中にあります。祖父の気性は私たちの血に、肉に受け継がれていく事でしょう。
祖父はいつまでも、私たちの心の中に生きている。そう思いました。

おじいちゃん、ありがとう。
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