明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
本年の年賀状は、懐かしく思う方も多いでしょう。「スーホの白い馬」から絵を引用
させて頂きました。知らない方のために・・モンゴルの民話で、モンゴルの楽器「馬頭琴」
の由来を示すお話です。
昔、スーホという貧しい若者がいました。スーホはある日、産まれたばかりで
死にそうな白い子馬を見つけました。その馬を連れ帰り、家で大切に育てました。
数年後、白い馬は立派な馬に成長しました。ある時、王様が競馬大会を開くことに
なりました。優勝者には王女の婿にするとのことで大勢が参加しました。スーホも
その馬をつれ、町の競馬大会に出場しました。スーホと白い馬は走りに走り、
ぶっちぎりで優勝しました。王様はその馬を見て大変ほしくなりました。そして、スーホに
その馬を置いて帰るように言いつけ、ムチで痛めつけました。スーホは友人に連れられ
家に帰りましたが、生死の間をさまよっていました。
ある日、王様が手に入れた白い馬に乗って、客人たちに自慢しようとしたところ、
白い馬は王様を振り落とし、一目散に逃げ出しました。王様は大いに怒り、矢を
射掛けるよう命じました。白い馬は背に何本も矢を受けながらも逃げ、スーホの小屋へと
戻ってきました。そしてスーホの腕の中で息絶えました。
スーホはあまりの悲しみのあまり、寝込んでしまいました。そんなある日、スーホの夢の
中に白い馬が現れ、
「そんなに悲しまないでください。私の皮・骨・たてがみを使って、楽器を作ってください。
そうすれば、私はずっとあなたのそばにいることが出来ます。 」
そう告げました。スーホは白い馬の骨・皮・たてがみなど、全てを使って一つの楽器を
作り上げました。 スーホがその楽器を奏でるとき、その音色は、モンゴルの草原に
素晴らしい音色を響き渡らせました。
その楽器はモンゴル中に広がりました。
今年の版画については、スーホの服の赤とズボンの濃い緑、そして輪郭線を木版画で作成した上に、アクリル板を馬の形に切り抜き、版画の上に載せた上から、歯ブラシと金網を用いて、スパッタリングを施し、やさしい感じを生み出しました。
版画に別の加工を施すと言う、私にとって新しい挑戦でしたが、うまくやさしい感じを出すことが出来ました。
さて、昨年は私にとっては修士論文・大学院修了・アイルランド語学留学・就職。と大きな
変化の年でありました。学生時代には、「就職すれば土日は休みやし、きっと版画にも手を
かける事が出来るに違いない」と考えていたのですが、それもつかの間。大忙しで年末を
迎え、結局例年通り、大晦日あたりから版画を制作する始末に・・・。結局、原因は
私自身にあるんでしょうね。これから先もきっと、遅れ遅れの年賀状かもしれませんが、
どうかよろしくお願い申し上げます。