中村若連再結成20周年記念・祝辞
保原町長 仁志田昇司

 中村若連再結成20周年、まことにおめでとうございます。

中村町内は、毎年3月に行われ天下の奇祭として知られる「つつこ引き祭り」の祭神「厳島神社」の門前町としての伝統ある町内会でありますが、それだけに町内会の結束も固く意識も高いものがあり、これからの地域社会に求められている「自立協働の社会の実現」にもっとも近い町内会であろうと私としては考えているところであります。

 その町内会にあって「つつこ引き祭り」の実質的な担い手である中村若連は、保原町内にある若連の中でも目立った存在であります。もちろん伝統ある祭りの担い手としては当然ですが、これからの少子高齢化社会に向けての地域社会のあり方を考える時、町内会のあり方が問題であり、それはとりもなおさず若連のあり方でもあり、その意味で中村若連の活動には素晴らしいものがあり、私としては期待するもの大であります。

 私も何回か「つつこ引き」に参加させて頂くうちに、祭りそのものはお祭りらしく勢いのある賑やかさの中で行われ、たまには羽目をはずすような事があったとしても基本的には整然と行われている事が判りましたが、それは町内会の古老(と町内会では言ってはおりませんが、そういう立場の人)の指示と伝統に従って若連の役員が仕切ってきちんと統制がとられて行われており、そこには世間一般よくあるような世代間の対立もなく、町内会全体の信頼の下に行われているのです。聞くと古老と言われる人も、かつては若連の一員として祭りを担って来たとのことで、連綿として受け継がれてきたものがあって初めて作り上げられるものなのでありましょう。

 極端な少子高齢化社会を迎え、これからの社会は「地域が家族のように」ならなければならないと言われておりますが、昔の大家族制度が崩れて久しく、その後核家族化が進み、我々のような地方に於いても大都会のように「隣は何をする人ぞ」と言うような状況になっていることは愁うるべき問題で、こうした事に対して、祭り太鼓の練習などを通しての若連の活動と役割には期待するところ極めて大きなものがあるわけです。

 20周年を機に、地域社会のために保原町若連全体のリーダーとして、中村若連が更に発展されます事を祈念しましてお祝の言葉と致します。