太鼓の思い出
戸川祐一さん 阿部一雄さん

 昭和43年頃、神明様の大遷宮の年、山車で太鼓を敲きたいと思い練習しましたが、短期間では覚えられませんでした。悔しくて悔しくて、お祭りの翌日からまた練習を始めました。毎日やりました。指導者のいない中で、見よう見まね、聞きよう聞きまねでやっていました。

 そのうち、松浦勘ちゃんをはじめ、町内の先輩がやってきて教えてくれるようになりました。その当時は笛吹もいなくて自分たちで盆踊りも出来なかったので、伊達郡の太鼓を見ながら松浦勘ちゃんをはじめとする先輩方を手本に太鼓の敲き方を覚えてきました。

                               

 そうするうち、弁天様で太鼓を習いたいという同年代の人たちが中村町内外から集まり十数人で練習していました。やがて彼らが、中村太鼓保存会、さらには保原祭太鼓保存会に発展し、ハワイ遠征も果たしました。今や会はなくなってしまいましたが、彼らは今みんな、他町若連の太鼓指導者として頑張っています。

 太鼓演奏は、譜面のない「伝承太鼓」です。見て、聴いて、感じて、工夫、研究して覚えるものです。そうして今まで引き継がれてきています。

 今も、中村若連の皆さんと、顔を見合わせ、思いっきり声を出して、呼吸を合わせ、体を合わせ、目と目を合わせ、見ている人とも合わせ、強く、弱く打つ! 体を動かしています。楽しいです!