御  祝
嚴島神社 祢宜 大嶽洋一

 中村若連が再結成二十周年と云う節目の佳年を迎えられ、これを記念して式典が執り行われますことは、まことに意義深いことであり氏子の皆様とともに衷心より御祝申し上げます。思えば、当嚴島神社恒例のつつこ引き祭の神事の斎行に大変苦慮しておったものでありますが、昭和四十五年から中村初老会を中心としてつつこ引き神事が運営されることとなり、昭和五十八年にはこの中村若連が再結成の運びとなり私達の祖先が遺した伝統あるつつこ引き神事が敬神崇祖の念篤い中村若連の皆様方によって昔の様に盛大に斎行できることとなり現在に至っているのであります。この間、会員の皆様は勿論のこと、歴代の会長はじめ役員各位の御努力と氏子皆様の御協力により中村若連は順調に発展を遂げ六十有余名を有するすばらしい組織となられました。そして神宜の興隆、地域の発展、町内若連との融和、子供たちへの太鼓指導、保原町の伸展、自己の鍛練等にと様々な活動をされて参りました。中村若連再結成に尽力された当時の関係者の方々はじめ歴代の若連会長、役員各位に改めて感謝の誠を捧げる次第であります。

                            

 かつての中村若連の記録として大正十二年舊正月二十五日岩代国保原町鎮座嚴島神社苞引祭典記念繪葉書発行所舊中村若車、昭和二十年十月今後ニ於ケル祭事世話人名祢中村若連祭事係と記されたものが残されています。神社神道は自然の恵みと祖先の恩とに感謝し、和をもって人々が支え合い生きる「つながり」を大切にすることを教えています。先人達がつくりあげた中村若連を再び継承され二十周年と云う記念すべき年を迎えられましたことは誠に喜びにたえないところであります。氏子の人々が鎮守の森として親しんでおります嚴島神社の護持に、今後も一層の御奉仕いただきますことを御期待申し上げるものでございます。

 最後に、本記念式典に携われた各位の御尽力に深甚なる敬意を表しつつ、中村若連の更なる発展と氏子崇敬者の一層の御健勝をお祈り申し上げ、お祝の御挨拶とさせていただきます。