何でも有りの将軍様


 

今回は「何でも有りの将軍様」です

今回は数ある時代劇の登場人物でおそらくNO.1の権力を持つ役柄「将軍様」です

「将軍様」と言えば、鎌倉時代、室町時代、江戸時代と出てきますが
今、一番、日本国民に知られて、絶大なる人気を誇り、しかも何でも有りのやりたい放題の
将軍様と言えば「暴れん坊将軍」の「上様」こと「松平健」扮する徳川吉宗をおいて
他には有りません

「暴れん坊将軍」を観たことが無い人の為に粗筋を記載しますが

松平健は将軍:徳川吉宗なのですが普段は世を忍ぶ仮の姿として、江戸の町火消し
「め組」によく顔を出します(よく、と言うより毎回)
そのときの名前は「徳田新之助」ある旗本の3男坊で、定職もなくブラブラしています。
しかし、「め組」の頭以外は「徳田新之助」の正体が実は「上様」だと言うことを知りません
話は時代劇では定番の1話完結で、次週に続くことは有りません。
どんなに大きな出来事が起きても次週には、みんな、けろっと忘れてしまっている
お気楽な人たちの集まりです。

よくあるストーリーは悪徳商人に売られようとする貧しい娘が偶然「徳田新之助」と
出会いながらも結局は悪徳商人とつるんでいる勘定奉行等の手下に斬り殺され
徳田新之助が敵を討ちに行くと言うストーリーが多いです。

勘定奉行の屋敷に乗り込むときは必ず、お約束が有ります。
水戸黄門は助さん、角さん等が立ち回りを演じて最後に印籠を見せて
(この時、印籠を出す前に御老公は「助さん、角さんもういいでしょう」と言いますが
 いきなり印籠を出させないのは長旅により蓄積される助さんや角さんのストレスを
 発散させる為に、あえて力一杯暴れさせてしまおうという御老公の老獪な知略なのでしょう)
自分が天下の副将軍だと正体を明かし、悪代官とその手下たちは「ははー」と
観念してしまうのですが「暴れん坊将軍」は順番が逆です。

まず、悪巧みをしている(江戸川屋おぬしも悪よのう..はははは..)勘定奉行の屋敷の庭に
いきなりズカズカと押し入り、しかも屋敷の主を前に「勘定奉行、山海鯛之助、貴様らの悪事も
ここまで」等のようなセリフを言いながら、主を叱りつける。
普通、夜の夜中に、いきなり得体の知れない侍が押しいって来て、しかも、
主を呼び捨てにして、あまつさえも貴様呼ばわりして、「悪事もここまでだ」等と
言われたときのは悪の勘定奉行だって怒るわなぁ..普通。

しかし、「暴れん坊将軍」では、怒る前に「誰だ貴様は、名を名乗れ」と至って平然。
普通なら名を訪ねる前に有無を言わさず悪の勘定奉行とその手下たちなのだから
首をはねるはずなのが、名前を聞いてあげる、この寛容さ、本当は「いいひと」
じゃないのか?とテレビを観ていていつも思う

そして、徳田新之助は定番のセリフを言います(印籠を出すのと同じ)
「勘定奉行、山海鯛之助、予の顔を見忘れたか!!」(バーンと上様のアップ)
そして必ず、「ああ!上様!!」と顔を思い出し、目の前にいるのは上様だと
確認してから悪党全員、土下座するのですが
今まで1度も上様を思い出せなっかた者のが、いないと言うのが不思議。
一人くらい「誰だ貴様は!おまえの顔など知らん!」と全然思い出せない奴がいても
おかしくないと思うのだが....
もし、思い出せない奴がいたら「思い出せよ!俺だ!上様だ!!どうだ思い出したか?」
等と言うのか松平健。

これも定番で、一度土下座をしながら必ず全員刃向かう。
「上様といえど容赦いたしませぬ」「こやつは、上様の名をかたる偽者じゃ皆の者
切れ切れ!!」と必ず全員刃向かう、誰一人観念する者がいない
水戸黄門は印籠を出し、正体を明かすと皆観念するのに、しかも向こうは副将軍
上様は将軍なのに、なぜに皆刃向かう、上様の権威て一体....

しかし、悪人言うことももっともだと思う事もあります。例えば、
「こやつは、上様の名をかたる偽者じゃ皆の者切れ切れ!!」はよくある定番のセリフですが
偽者と思っても不思議ではない、むしろ普通は偽者と思うでしょう

今までの放送でなかなか気の利いたセリフは「上様がワシの屋敷にこられるはずが無い
子奴は上様の名をかたる偽者じゃ皆の者切れ切れ!!」
普通、夜の夜中に一人で将軍様は勘定奉行の屋敷には来ないと思います。
そりゃそうだな..悪人の方が常識的なことを言っている珍しい番組です

この後は上様が暴れて、悪人をやっつけておしまいです。

常識が通らない何でも有りの将軍様、まあ将軍だからでしょうね
「一休さん」の将軍足利義満もいい例です


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