世界征服バンザイ


今回は「世界征服バンザイ」です

嘗て、どれほどの人たちが世界征服を夢見たでしょう
チンギス・ハーン、ナポレオン・ボナパルト、アドルフ・ヒットラー等
歴史上に登場しない人も含めるとその数は数え切れません
もしかして、あなたがいつも行く魚屋の親父も密かに世界征服をたくらんでいるかも
しれません

さて、今回は世界征服を目指した団体等を例に取り、何故、失敗したのか?
どのように、すればいいのか?等を講義します

最初は日本で1番有名な世界征服を目指した団体
「ショッカー」です
このショッカー、実は企業だったのです
番組のオープニングに「本郷猛は仮面ライダーである。彼を改造した
ショッカーは世界征服を企む悪の秘密結社である」と、解説しています

ただの会社ではない、このショッカー
まず、社員の制服がかなり奇抜でアバンギャルトです
モリ・ハナエも裸足で逃げ出しそうなデザインです
全身黒ずくめに髑髏のマーク、ベルトに鷲のショッカーのエンブレム
一目見てショッカーの社員だと分かります

続いて制服だけでなくここの社員の言葉遣い
上司からの命令の返事も、外で初めて会う人に対しても
「わかりました」「初めまして」ではなく、全て
「イッー!!」と、右手を高く挙げながら言うだけです
どんな社員教育をしているんだ?と思う人は私だけでは無いでしょう

部下が部下なら上司も上司
この会社の役職名は一般的な「部長」「課長」「係長」「主任」ではなく
「大佐」「博士」「大使」「将軍」であり
普通の役職で「会長」に値する呼び名は「首領」です
NECの横山課長とか、さくら銀行の横山主任等は聞いたことが
有りますがNECの横山大使とか、さくら銀行の横山将軍等の
役職名は聞いたことが有りません
しかしながら、このショッカー古い日本の企業体質を一新させた
極めて先進的な21世紀を見越した役職名なのか?等と
考えてしまいましたが、やはり、この企業のセンスには、ついていけませんでした

さて、このショッカー
会社にしては、かなり、労働条件が厳しすぎると余計な心配をしてしまいます
会社なのだから利益を上げ、資産を運用して経営しなければ、ならないのですが
どうやって利益を上げているのか?給料はちゃんと支払っているのか?等の
疑問が浮かび上がります

余談ですがショッカーの社員は社内で戦闘員と呼ばれていますが
この戦闘員(社員)やはり一般から募集するのでしょうか?
職安に秘密結社ショッカー 職種:破壊活動等と書かれているのか?
さらに、面接に来た人は「御社を選んだ理由は御社が将来的にも有望であり、
自分の才能を生かすのに最も適した職場だと思いました」等と言うのだろうか?


企業目標は世界征服ですから、達成の暁には今までの累積赤字分は帳消しに
なるのでしょうけれど、その目標に対して、どのようなことをしているかと言えば
ダムの破壊、空から細菌をまき散らす、発電所を襲撃、食べ物に毒を入れる等の
デンジャラスな活動をしていますが、中には、幼稚園のバスを乗っ取るとか
お化け屋敷を開いて子供を連れ去るとか、パンダを殺そうとするとか
かなり、世界征服から遠ざかったことも真剣に活動しています

しかし、何故かこれらの計画は常に途中で挫折します。しかも毎回必ず
それは、正義の味方仮面ライダーの存在です
常に仮面ライダーにやられてばっかりです、ここで疑問が有ります
ショッカーの最大のライバルである仮面ライダーは元はショッカーの
改造人間でした
それならショッカーは仮面ライダーを2、300人作ればたった1人の
仮面ライダーが出てきても300人の仮面ライダーで袋叩きにすれば
易々と世界征服が出来たのではないのか?と言う疑問とショッカーに対する
今後の仮面ライダー対策の提案ですが、このショッカー、すでに
倒産してしまいました

首領までも仮面ライダーに倒されたからです
やはり、日本経済リサーチに19**年**月**日 秘密結社ショッカー倒産
と載ったのでしょうか?

次に紹介する団体は「ギャラクター」です
このギャラクターは株式会社等の企業団体なのか、生活保護団体や財団法人や
特殊法人、政治結社なのかは、はっきりしていません
1つはっきりしているのは政府や市町村等の公的機関ではないと言うことです

ギャラクターも世界征服を企む団体なのですがこの団体の凄い所は、会長
(ギャラクターは総帥と呼んでいる)が、実は宇宙人だったと言う事です
インターナショナル・カンパニーではなくスペース・カンパニーだったのです
さすがに宇宙人、金をかけて地球を攻撃します
社員は地球人ですが(正体は最後に分かるのですが)
毎回、巨大なロボットで街を襲います、しかも、ショッカーと違い
幼稚園のバスを乗っ取るという意味もない姑息な手段を取らず
いきなり、巨大ロボットを使って世界中の街を焼け野原にします

しかしながら、このギャラクターにも宿敵がいました
「科学忍者隊ガッチャマン」です
「ある時は1つ、またある時は2つ、実体を見せずに忍び寄る影
科学忍者隊ガッチャマン!!」と言いながら現れるのですが
忍び寄る影の割には、全員凄く派手な衣装で現れます
恐らく、科学忍者隊と名乗っても最初は誰もその格好から信用しないはず
ですが、しかし、ギャラクター。いきなり「やっちまえー!!」ってな感じで
何の違和感もなく戦います
いきなり出てきて、あのような格好をした人の事など普通は信じないはず。

やはり、このすぐに人を信じてしまうという欠点と戦術上の甘さ
(宇宙から来たのだから宇宙から隕石でも落とせばよかったのに)
により、ギャラクターも解散してしまいます

このように、全国的に有名な団体をもってしても世界征服は不可能に近い
事なのです

世界征服を企むあなた、諦めた方がいいのですが、どうしても
諦められ無い場合は
組織を作り、明確な目的に対し的確な作戦行動を行い
(幼稚園のバスをの取るなどと余計なことはしない)
仲間全員目立たぬような格好と一般的な呼び名を付け
土壇場になっても破れかぶれな作戦を立てずに
(大体最終回が近くなると、とんでもない作戦をショッカーも
ギャラクターもして、崩壊を早めた)
冷静な判断と俊敏な行動をもって世界征服に望んでください



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