彼女のメール

一つ前に戻る

by,石礫


 ある事件が解決、詰めの捜査で連日徹夜の捜査員が多かった

で、 彼もそうだった。

「ふわぁああ」と高木は大あくび
「明日非番でしょ、それ仕上げて…とっとと帰って寝なさいね。」
と佐藤が微笑みながら高木にコーヒーを渡す

調書などを仕上げ高木は帰路ついた


眠っている高木、そこに携帯電話の着メロ音。
寝ぼけながら枕もとにおいていた携帯電話のディスプレイを見る。そこには”佐藤美和子”の名前
その名前を見た瞬間に、高木は思いっきり目が覚める
「はい。高木です!!」
『高木君、私よ。佐藤よ。ちゃんと起きてる?』
「はい、もちろんです!!」
『さっきメール送ったから、メール見てね。』と、言うと、佐藤からの電話は切れた
「メール?」確かに佐藤からメールが来ていた。メールの内容を見て、思わず、高木は、それを数回見直す、


 今日の午前10時に、都合が良ければ、米花駅前広場噴水前に来てくれない?
 都合が悪い場合は、私の携帯に連絡して PS.来る時は私服で来てねv


「!!!?」時間を確認すると、現在、午前9時前



米花駅前広場

 高木が駅前広場の噴水前に着くと、そこで佐藤が待っている

「佐藤さんー!待ちました?」
「高木君!うん、待ったわ」
「すみません。所で……今日は…」
「ちょっと、ついて来て」
「え…?」

「(まさか、今回も、張り込み?)」と、一瞬、高木は思った



駅前のバーガーショップ

 普通に話していたが…段々、事件の話になり…内容が血なまぐさくなっていく
佐藤は、高木の話をしている表情を見ながら微笑む
「…どうかしました?」
「…ん、なんでもないわよ」
「あの…佐藤さん、今日は一体何の…」
佐藤は時計を見る
「あ、そろそろ二回目の時間だわ。高木君に付き合って欲しい所があるの」
「は?」



映画館

 「由美と行くはずだったんだけど…由美ったら、行けなくなっちゃって、で、高木君に代わりに付き合ってもらおうかなって」
「あの…佐藤さん?これって…」高木の疑問に答えずに、佐藤はさっさと映画のチケット二枚を切ってもらい劇場の中に入っていく
「あのーぉ」
「高木君!ここ空いてるから座ろう」
「はぁ…」

佐藤は映画に夢中になっている。高木は佐藤のそんな顔を見てると顔が赤くなってくる


「高木君…映画終わったよ、起きて」
「はっ!!?」高木は佐藤に揺り起こされるまで自分が、寝てるとは、思わなかった

「…(こんな…ラッキーな日なのに)」思わず、高木は、しょぼんとしてしまう



再び駅前

 「今日は楽しかったわ」と佐藤はにっこり
「あの…佐藤さん・・・本当に今日は一体?張り込みって訳でも無いみたいですし、これ、まるで、デー…

「あのね、今日は私も非番だったの、じゃね高木君vv

そんな言葉を残して佐藤は帰っていく
少しのあいだ、固まっていた高木は、はたと、最近の忙しさで佐藤の非番の方はチェックしてなかった事に気がつく

「これって!!デートじゃ無いですか!!!」

FIN

後書き:結構、オーソドックスなデートらしかったのに…気づかない高木君はドンカンである…でも言わない佐藤さんも…