雨の向こうに title28-list
by.石礫
私とあなたとの間には
心に突き刺さる冷たい雨が降りつづいている
あなたが佇んでいる雨の向こうに
私は叫ぶ
「 」
でも、
あなたはその声に何一つも気が付かず
私に微笑んでいるだけ
どうして、何も分かってくれないの?
どんなに叫んでも、あなたに何一つ届かない
あなたはただ微笑んでいるだけ
どんなに手を伸ばしても、あなたはその手を握り返してはくれない…
ただ、飛び出す事が出来ずに
どうすればここから届くのかと思っていた
迷う私に、あなたは迷い無く
雨の向こうから
この突き刺さるような雨の中に飛び込んだ
あの時
私はあなたを抱きしめようと雨の中に手を差し出した
その時、
はじめて気が付いた
あなたも雨の向こうで、私に向って叫んでいた事に
雨の向こうで、ずっと手を差し出していたのに…
どうして、私は何も見てなかったの?
私の前にあった雨の向こうに、必ずいたのに
「…あんたを失ってまで…得られる物なんて無いのに…」
そして、あなたに謝りながら私は泣いた…。
FIN
…アニメのドーマ編の城之内の魂を奪われた時の舞さんでした。