透明な祈り title25-list

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by,石礫

両親が別れる前に海に遊びに行って
「また、来ような」と、幼いオレは静香と約束したんだ

でも、まだ、静香との約束は叶えていない。


別れ別れになっても静香の幸せだけは祈りつづけた

ケンカに明け暮れてもな…
でも、そのままじゃ、静香に会う資格が無いから
オレは、その世界から、眩しい光の先に踏み出したんだ。

久しぶり(ビデオだったけど)に見た静香の顔、静香の涙…。
あんなに綺麗な瞳なのに、光を失う瞳

何も出来ないと思っていた。でも、オレにも出来る事、見付けたから
戦いながら、何かに祈った。
例え、駄目だったとしても、ちゃんと「静香のお兄ちゃん」として会いたいからさー。

でも、オレの弱さで、静香を泣かせて、
静香は勇気を出せないんだと強くなろうと思ってたけど

それは、違ってたんだな。

助けられてたのはオレのほうだったんだ

あの時、お前に叩かれて、それが本当に分かった気がしたぜ。


そして、オレは今でも、
ただ、静香が幸せになってくれたら良い、そう祈るんだ

「静香は、今、幸せか?」
「すごい幸せだよ。だから、今度はお兄ちゃんの番だね。」
そういって、静香はオレに笑うんだ。

でも、オレの幸せって?

オレは、お前に見合うほど、強くも無いし、大人でも無いから、
も、少し、お前と肩を並べる程になれたら…
きっと、
自分の幸せに一歩踏み出せる気がする。

だから、舞!

どこかで見ててくれ、勝てと祈っててくれ…それは、ちょっと虫がよすぎか…


「オレは、お前が好きだぜ。だから、待ってろよ!」


…まだ、お前には面と向っては、言えないけどな…。

―――

後書き:城之内の静香ちゃんへの祈り…に見せかけた城舞でしたv