遠い家灯り title09-list
by,石礫
父を失ったイタミを思い出す。それは、感傷かもしれないけど…
強盗事件の被疑者が、潜伏してる可能性のある被疑者の妻と子の待つ家を車の中からで張りこむ高木と千葉
コンコン
窓を叩く音。それは佐藤だった。
「二人とも、おなか空いてない?」とコンビニの袋を見せる
「いただきます!」と、佐藤がもって来た差し入れをありがたく食す
被疑者である人物はこちらのほうに向って居るらしいと言う事で佐藤も一緒に車の中で張りこむ事になった
「あ、戻ってきたわ、被疑者よ」
彼が家の戸を明けると、子供と妻の声が聞こえた。
無線で指示がでて、捜査員達は被疑者の家に乗りこむ事になった
その戸が開かれると、被疑者が出て来た、名前を確認し
「貴方には逮捕状が出ています」と、逮捕状を示す
「パパ。どこに行くの?」幼い子が、そう尋ねる
「パパはお仕事で遠い所に行くのよ」
連れていかれる父親に、「いってらっしゃい」と子供が手を振る
父親は涙ぐみ捜査員達なだめられる
佐藤は、被疑者の子どもの姿が、過去の自分と重なった。
「あの子は、これから父親のいない生活になるのね」
佐藤の小さな呟きは、高木だけが聞いていた。
「そうですね……」
「子供が出来ても、父親が居ない生活なんかにさせたら…絶対、許さないからね。ねっ!高木君」
「だ、大丈夫ですっ!」高木は赤くなって、明かに動揺した
「なんてねv。…それに…私、まだ、何も言ってもらってないかならァ」
「す、すみません!」高木は少し情けない顔をしたので、佐藤は申し訳なさそうに笑った
佐藤が、振り返るとその窓の電灯はとても遠く、そして、とても哀しげな色に感じられた
それが、ただの感傷だとしても…胸に痛いのだ
FIN
後書き:高佐、久々なのに…高佐になりそうになかった所を無理矢理もってった感じですね