Untouched by his hands2

※この話のナルトは、スレというよりはツンデレです
一つ前に戻る

by.石礫


忍者学校での、オレは成績振るわないが、明るいドジっ子で過ごした。

卒業試験は分身の術を見せる。一人ずつ別の教室に呼ばる…で、オレの番に…
教室に入って、おれは「分身すれば…いいんだよね?」と念を押した…
イルカセンセーが「分身すればいいんだぞ」と答えたので…待ってましたと!印を十字に構え、多重影分身で10人ほど
「先生、これで良いんでしょ?」…センセー方、点目になってるぜ!

合格だと額あてを受け取ったら、イルカセンセーがオレに聞いてきた
「お、お前、今の今まで分身出来なかったんじゃ?」
「普通の分身は苦手。影分身ほーは得意なんだけど」って、しれっと答えてやった。


『下忍になりました編』


「適当に影分身やって、一発合格とっ、センセー達、驚いてたけどな」

あれから二年…いつの間にやら、カカシが家に押しかけてきて…半同居状態…オレとしては確信犯では?と疑っている。

オレは、いつものように弁当を作り…ついでに作ったカカシの分を手渡す(作るのは、カカシが近場で任務があるって時だけって)
「いつも、悪いね」…コイツ、こういう時だけ殊勝な顔すんだよなぁ
「ついでだって言ってんだろ!」
「もー。相変わらず、ツンデレだよね」……ぶん殴っていい?


今日は説明会なので、忍者学校…うわー。ごった返してる…もっと早く来るんだったな。えっと、座れそうな席はー…
うわっ!うちはサスケの近くかよ!!コイツに関わると禄でもない目に合いそうなんだよなぁ…ヤダヤダ…離れて座ろっ

前の席の奴が「お前、卒業試験で影分身したってホントか」…それ、もう広まってんのかよ?
うっ、うちはの睨みつける視線感じる〜…自分一番の俺様君はスルー確定とっ!!
「ナルト、どけ!…私はその奥の席に行きたいのよ」…ん?えーと、春野サクラか…
「どーぞ」と譲ってやったら、いそいそと「サスケくぅん」だとよ…
…こんな近くで本性出してたら、好きな男の前だけ豹変した所で、ソイツに丸聞こえじゃねーのかね?


イルカ先生が班分けを発表…オレの所属する事になる班は…

「はぁ?」

「成績順で組み合わせたんだが、なにか不満か?」
…いや、不満だらけだけど、…指摘するのもなぁキャラ的にまずいし…ひきつり笑いしか出来ねぇ!

それにしても、井の中の蛙と使えない女?しかも、全員近距離攻撃型って…マジありえねぇし!!
…索敵能力持ち一人欲しい〜…頼むから、担当上忍に索敵持ってる奴を〜じゃなきゃ…シャレにならんって!


1時間だよな…いつまでたっても来ないな上忍…ん?あれ、この教室近づいてくる気配って…もしかして、カカシ?
アイツって、確か忍犬使いの索敵持ちじゃん、遠距離も使えた筈…やったーこれで、やっと、この班マシになった!
…なら、ブービートラップ仕掛けても良し!!黒板消しでもくらいな!
「ゲホゲホ…ナルト、初日に、この挨拶は無いんじゃない〜」
「カカシさん!カカシさんが、まさか…担当上忍?」と驚いてみた。
「え?顔見知りなの?」


テラスに連れて来られたら、名前、好き嫌い、将来の夢、趣味を語れってか?
「カカシ先生ってどういう人なんですか?…そうだ。知り合いならナルトから紹介してよ。」
振ってきやがったし!!
「はたけカカシさん。かなり強いらしいけど、ヘタレ。
好きな物秋刀魚の塩焼き。嫌いな物てんぷら。将来の夢は知らない。趣味は18禁小説読む事」

「ちょっと!ナルト!!それ誤解されるから!!」
「え?一つも嘘言ってないけど?」…まあ、二人はカカシの事、蔑むような眼で見てやがるけどなぁ。

オレは、殆どラーメンに終始してやった…夢は「恩人に恩を返す」…三代目・自来也・綱手ちゃん・シズネねーちゃん。の事だ。
うちはの「ある男を殺す」…たぶん。自分に酔ってるなコイツ…言うだけの実力をつけるのが先だっつーの!
春野は…「忍術より恋愛」…だろうと思った…あ。カカシもビミョーな顔して見てる。


認定試験の日…指定集合時刻になっても、カカシが来る気配はねぇ…
「アイツ…なんで遅刻してる!理由を言え!!」うちはイライラしてるからって、オレに八つ当たりか?
「知り合いでも、あの人の遅刻理由まで知らねぇって!!」
そうこうしつつ、七班を数時間待たせて、カカシのヤローがやっと来た…
前日に…合格確定なんで!って協力頼まれたからなぁ。スタート前からカカシに突っかかっるのも計画の内。


心得1の『体術』教えると、ナルトに千年殺しなんてやってみたけど…さーて、どんなドベで…
はい?…いきなり、分身を風魔手裏剣に変化させて、どうしたの?!
予定と違うんじゃ?…えーと…あの…ナルトさん?ちょっとまってーーー!!目がマジなんですけどっ!!

「テメェ、覚悟はいいか?」器用にも、オレにのみ殺気を…

ひいぃいっ!!本気の殺意で投げないでっ!!ギリギリで避けたけど…ちょっとぉ、怖いでしょ!
やっと予定通りに、ワザと罠にひっかったけど…物凄い形相で睨んでる…ひぇええ…


サスケとサクラが近くに居なくなったな…ん?あそこに弁当が置いてあるんだ。
なんだろ?この石碑……あ。これって…慰霊碑?…九尾の被害者…刻まれてんのかな………


「あれ?そんな所に居たん…だ?………ナルト…?」


…どうして、そんな泣きそうな顔して慰霊碑を?…お前のそんな顔見るのはじめてだよ…
ナルトが何か抱えてるらしいのは…わかってたけど…やっぱ、オレはお前の事何も知らないんだな…
聞きたい…話して欲しい…でも、絶対、お前は答えてくれやしない…せめて、オレには話して欲しいのに…

オレの気配に気づいたのか、話しかけてくるナルト
「どう?あの二人の手ごたえ?」
「あ。ああ…サスケは火遁できてた。サクラは幻術タイプだったよ」
「ふーん。思ったよりやるみたいだな」


「さて、どーしたら、あの二人気づくかな…チームワークって答え…3人で来いって言っちゃう?」
「あ!オレが弁当を食おうとして丸太行きで動けないってのは?午後になっても見捨てるなら…それまでって事で!」


慰霊碑に親友の名前が?…そーなんだ…カカシの親友が死んだの…いつだろう…12年前?

ん?…お前ら、何、弁当つついてんだ!…カカシの言葉聴いてなかったのか?サービス問題だろ!!
弁当美味しいって?そりゃどうも…オレのお手製だぜ。
…やっと、うちはが動いて(……素直に手伝えって言えば、かわいげもあるが)
春野もうちはに追随し(…カカシの奴は、お前のサスケ第一主義を注意した筈だよな)


認定試験が合格で終わった…先に三人帰し。オレは悠々と縄抜けして、家に帰る。
「お疲れ〜無事下忍になったお祝いって事で、今からどっか食べに行く?」「いいね…じゃ、一楽で」


下忍になってやっているのはD級任務。オレは、こういうのやった事ないんで…楽しいと思ってたんだけど…
「ナルトは、いつも楽しそうに任務やるわよね?(ため息)」え?楽しくないのか春野?
「こんなガキのお使いのどこがっ楽しい!!」あれ?うちはは、相変わらずイライラしてる。

「じゃあ、解散。明日の集合は9時ね」
「カカシ先生、次回こそは、遅れないでくださいよ。ナルトも注意してってよ!」
弁当のおかずが同じっていう理由で(さすが女の子)、同居してんのバレちゃって、オレにまで言ってくるようになった…
「「…善処します」」

「ねー。ナルト…なんか、サスケの奴…なんだが、カリカリしてなかった?」
「D級ばかりで不満だって」「うーん。一度ぐらいC級経験させないとダメかな?」

そんなのを仄めかして三代目に言ったら『波の国』の任務ってのが来た…
なんか、後ろめたい事があるような表情するよなタズナって依頼人…

敵がいるのはわかってたが、サスケが動いたので…敵の動向を見る事にした…コイツら霧の抜け忍?
「怪我はないかよドベ」
「うん…(コイツ……メンドクサっ!!)」

依頼人タズナが。本当の依頼内容を明かした…
「実質A級…三代目がこの任務を回してきた訳だわ」…すげー凹んでやがる…しょうがねぇ、励ましてやっか?
「最悪の依頼人だけど…任務だ!諦めろ先生」あ。励ましになってないか…


目の前に現れたのは…桃地再不斬…霧の抜け忍でテロリスト…先に皆を逃がすのが常套かな。
「…ナルト、全員連れて逃げろ!」
「わかった!行くってばよ皆!」タズナを引っ張りながらナルトが行くのを慌てて追いかける二人…
「行かせるか!」再不斬は首切り包丁を振り回すが、
皆の死角でナルト(影分身)が、それを防いだ。その間にナルト(本体)は皆を連れて行く
「ほぉ…オレの攻撃を防ぐとはな……ガキの中に本物が一人居たようだ。」

でしょうね。


再不斬…んー結構、強いね。さて、これからどうしますか…
「ここで、術返すとチャクラ量やばいかもね…カッコつけないで、ナルトも残らせりゃ良かったか?」
「呼んだ?手伝いに来たぜ」
「ナルト!…どうして戻ってきたの?」
「アンタがやられたら困るから!…だって…」
「…え?」
「アンタに倒れられたら、任務遂行できねぇ!!」
…………そりゃーそーね。オレとしては大事な人ぐらい言って欲しかったんだけど。
「さてと、やりますか」
「再不斬ッて言ったけ?…悪いが二人で、かからせてもらうぜ!」

「確かに、いっぱしの忍者のようだが、ガキが調子に乗るな!」


ナルトとカカシ…二人の攻撃は流れるようだった…まるで、一つの物を思わせる攻撃に…再不斬は防戦一方になって…
「あのガキかなりできる!…分が悪い!!」と、彼が焦った瞬間!仮面の少年が千本を放ち…再不斬は倒れ
「霧の追忍?」

そこを、一緒に逃げてた筈が、途中でいなくなったナルトを追って、サクラ達もこの場に駆けつけ…
再不斬が倒れている姿と霧隠れの追忍の面を被った少年が居るのを目撃。

「彼の体は秘密が多い物で、我々の処理を外の方に見せる訳には行かないんですよ」再不斬抱え少年は去っていった…

途中でいなくなった事をサクラに叱られるナルト…
「オイオイ、そんな責めないでやってよ。」と、カカシは苦笑を浮かべる。
「で、でもっ!!」
「今まさに、チャクラ切れで動けなくなる所だったから…助かったよ」と…言うなり倒れるカカシだった。

タズナの家に着き休んでいると、ある点で再不斬が生きてる可能性があると気づき、カカシはその話をした…
「お前たちに修行を課す」
そして…森へ、


「ねぇ、ナルト…いっそ、実力ちょっと出しちゃわない?」
「まあ、状況が状況だしな…でも、なんか…うちはがキレそうでよ〜」
「隠すしかなかった…もっともらしい理由でもつけますかっ…そーだ!こんなのは…―――」


「え?木登りって?チャクラで…ですか」
「そうチャクラでね。…ナルト…(ため息)…オレ、こんなんだし実演してくれるか?」
「でも、先生っ…オレっ…やっぱりっ………」悲痛そうな顔をするナルト…
カカシは、優しく諭すように「大丈夫だから」
ナルトはそれで決意をしたような顔して「…うん。オレ、木登りの実演する!!見てて!」

チャクラによる木登り…幹に足の裏で吸着できる事に二人とも驚いた。

「…じゃ、橋の護衛よろしくねナルト」「行ってきます」ナルトは泣きそうな顔し三人の下を去る(見えない所で舌を出し)


さて、今後の追求を回避出来るかは、オレの手腕にかかってる訳ね。

「なんで…ナルトが、あんなにチャクラコントロールを…」「どういうことなんだ!カカシ!!」

「ああ、ナルトの奴が実力隠してた事?…アイツさー…昔、実力見せた事で、とても酷い目にあったんだって。
…木ノ葉に来たのも…当時の心の傷を癒すためでさ…
今まで…二度とあんな目に合いたくない、実力見せるのが嫌だと聞かなかったんだけど
サスケとサクラは信頼できる…お前の事を傷つけやしないと説得してた。…ゴメンな…黙ってて…」

「「…そうだったのか」」二人とも神妙な顔…さあ、畳み込んじゃうよ!

「…それから…アイツはまだ心の傷抱えてるから…その事は聞かないでやって欲しい…できるか?」
よし、納得してうなづいた!

ま、こんなもんか?…ホントはさ、全員の記憶消したかったよ…

「サクラ、お前はサスケに木登りのコツ教えたら、タズナさんちの傍で水面に浮く修行だ!」
「え?え?水面浮く?」
「サスケ、お前が一番出遅れてる。ある程度、木登りで留められる様になったら、お前も水面の修行に移行しろ」
サスケがとても悔しそうな顔をしてたが、ホントの事だしね


夜。オレはある所から帰ってきた…
「おかえり、どこ行ってたの?影分身置いて」
へー気づいてたんだ…「ガトーの周辺調査」
「暗部張りの事するねぇ…で、どうだった?」
「再不斬を信用してない様子。それから、そこらのゴロツキ雇って、再不斬達殺って金踏み倒そうって気だ」
「そんな程度の集めて…忍を殺ろうって?…何の冗談?笑えるね」


サスケとサクラは努力の末、海面に少しずつ立てる様に…それをイナリがずっと見ていて…
修行もめどが立ち。カカシが動けるようになって…橋に行く前夜…
「必死に頑張ったって、勝てるわけない!!」とイナリが泣き叫んで…
「じゃ、そうやって、泣いたままか?…そうやって泣いて悲劇の主人公だと許して貰えるって甘えるな…
じいちゃんが留守の間、母ちゃんとこの家守れるのは、お前しかいねーんだぞ!わかってんのか!」
ナルトの言葉にハッとするイナリ。

橋へ向かう「全員で離れるのは危ないから、家に影分身おいてくる」

橋に踏み入れる前に、ぴたりと立ち止まるナルト…
「どうした?影分身からか?」
「無事!侍が人質に取ろうとしてたけど撃退。イナリも頑張った」「…そう、良かった」


少年の血継限界で作った氷の檻に問われたナルトとサスケ…

オレ達、封じて…再不斬には存分に闘わせるって気か?
「…うちは!オレは音を聞く、お前はその目で見ろ!」「ああ、わかった!!」


タイミング合わず、なかなか攻撃が決まらず手をこまねく…お面の攻撃がナルトを…


「…う…ち………サスケっ!…どうして?オレはあんなんじゃ倒されないのに」
攻撃が当たる寸前、サスケがオレを庇った
「……ナルト…オレ達はお前の仲間だろ……だから、体が勝手に動いちまったんだ…」
倒したい相手の事呟いて…サスケの心臓の音が止まる…


「…サスケ…。お前のためにも………奥の手を隠したままで居るのは卑怯だな」

ナルトの瞳の色が変わっていた…


「…なんだこのチャクラ?」…ナルト達のほうから、異質なチャクラが…
その瞬間、再不斬側に仮面の少年が吹っ飛ばされてきた…赤いチャクラが具現化して目に見えている…
これってまさか尾獣の?…!?…そのチャクラをまとったナルトが霧の中から垣間見えた…

「ナルト…お前、今の!?」「ごめん…それは後にして」

再不斬と白は戦う気でいるが…「戦う必要ない!」と止めるナルト、「団体さん来たの?」というカカシ。
…霧が晴れてきた…そろそろ終わった頃かと…ゴロツキ引き連れたガトーが現れた。
息も絶え絶えな再不斬に金を払う気はないと発言…「じゃあ、地獄でも見ます?」白の声…「へ?」

結局、ガトーは死に、島民は一致団結し、再不斬と白は生き残る…サスケは仮死状態で、生きていた。


再不斬と白が波の国去るのを…ナルトとカカシが見送る(怪我でサスケ動けず、サクラ看病)

「オレ達を見逃していいのか?」
「いんじゃない?引渡し協定ないし…それに、おかしくなっていたのは、水影のほー…なんでしょ?」
「カカシ…お前…どうしてそれを?」
「んー?君らが、ただのテロリストに思えなかったからね……鎌かけただけ。ま、忍の勘ってのもあったけど」

「じゃあ、霧の情勢が変わったら…戻れるんじゃねぇの?」
「…そうとも言い切れませんが…そうなると良いですね。」と白は微笑んでいた…


木ノ葉に帰る前日の夜。
…ナルトと…二人きりで話す事にしたのは…海の上だった。ここならば、他人に聞かれる心配がなかったからだ…

「…話してくれるんでしょ?」
「そうだったな………ま、ぶっちゃければ、オレは九尾の人柱力だ」
「…じゃあ、やっぱり…先生の」
「オレは波風ミナトとうずまきクシナの間に生まれた息子だ」


…求めていた真実の筈なのに…思わず躊躇した…九尾への恐怖心がオレを動けなくさせてる…?

「理解しがたい事だと思う。受け入れらない事だって…最初から思ってた」

…最初からオレの事、そんな風に思ってたの?…はじめから、受け止める度量が無いって…
いや、違うよね…オレの事そんな風に見てたら…そんな哀しい眼しないよね…ナルト…

「里戻ったら、自来也に連絡するから、そしたら……だからそれまで我慢してくれ」

そしたら…?里から消える…ナルトならそう言うか………ためらったぐらいで…ナルトがオレの前から居なくなるか、
それ…嫌だな
九尾が怖いだと?…やっと見つけたナルトを失うほうが、ずっと怖い事じゃないっ!!


「ナルト…見くびらないでよ」
「え?」
「オレがナルトを守る!…だから、ずっと傍にいてよっ!!」

ああ…はじめてみたよ…ナルトの泣き顔。


続く

後書き:二人称と三人称が入り混じったな。…色々シーンを入れたら長く…あ、例の事故シーンは、さくさくカット(笑)
再不斬と白、死なせないで済ましちゃった。ヘタレの筈がカカシ意外とカッコイイ扱い?ま、次回が完結編かな?10.05.15