RAINYDAY

一つ前に戻る

by.石礫


ナルトはいつもの様に目が覚める。
いつもの様に朝食を取り、いつもの様に服を来て
そして、額当てを手に取った

激しい雨音

ナルトは驚いて窓を開ける。雨は里全体で降っていた。

「あー!雨降ってるってばよ!!…さっきまで降ってなかったのに!」

ナルトは肩を落す。

「てー事は、雨天中止?………はぁ」


  「えー。今回の任務は「草むしり」ここから見える山全部も含めなので…ま、2、3日掛かるな」
  「また、そんなんだってばよ」
  「で、雨が降ったら現地解散ね。天候は気にするように」
  「じゃ、次回の集合時間に降ったりしたら、その時は雨天中止になるんですか?」
  「ま、そう言う事だ。ただし、集合時間までに止んでたら、ちゃんと来る事。」
  「天候次第と言う訳か。」
  「雨、降んなきゃ良いなぁ〜」


今回の任務である草むしりは、不順な天候で中止が多く、ここ数日間、継続していた


「うー。任務までに止まないかな〜?」

しかし、雨はでかけるタイムリミットを過ぎても止まなかった…それは、今日の任務は中止と言う事である。

ナルトは、修行は出来ないし、仲間達とも会えない、雨の日は少しつまらない感じがする…それから…カカシに会えない事はもっと…

「……カカシ先生」
「呼んだ?」


髪の毛から水滴がぼたぼた落ちて、びしょ濡れなカカシが窓から訪問

「カ…カカシ先生…?」
「よ」

「だー、なんで、そんなびしょ濡れなんだよ!しかも、そこ窓!」
ビシッとナルトは指差しツッコミ

雨が吹き込むのでカカシを招き入れると窓をピシャっと閉めた
「センセー!待ってて、あんま、歩きまわんなってばよ!」
「はいはい」

カカシは額当てを取り去り、口布も外す。ベストも脱いで、それらを床に無造作に置き
歩き回るなと言われたわりに、遠慮無く歩き回り、玄関に脱いだサンダルを置いたりする
そうこうしていると、バスタオルを持ってナルトが戻ってきた。

ナルトはカカシをしゃがませると、その頭にバスタオルを乗せ水分を拭き始める。
「びしょびしょだってばよ。雨降ったら中止って言っといて、こんななるまで外居る事ないだろ!」
「んー。気が付いたら雨降ってて…」
「もしかして…遅刻しても良い時は、遅刻しないんだってば?」
「…ま、そーかもね。」
例の如く慰霊碑の前にいて、いつの間にか雨に降られたのは、ナルトの知らないカカシの事情である。

「ね、水も滴る良い男でしょ?」
「なーに言ってんだか…ったく、カカシ先生一人の身体じゃないんだってばよ。風邪引いたらどーすんの?」
「オレはナルトのだもんねー。それに風邪引いたらナルトが看病してくれるんでしょ?」
「…っ」
カカシにいきなり、そんな事を言われると…条件反射の様に戸惑ってしまうナルト

「そりゃあ、風邪引いたら看病するけど……オレが言ったのは、カカシ先生は里にとって大事な人って意味で」
「…模範的な答え言っちゃダーメでしょ」

カカシはナルトをギュッと抱きしめ耳元で囁く
「いつでも、オレはナルトのだって…思ってるし、それにナルトはオレのでしょ?」
いったん言葉を切り、腕を緩め、ナルトの顔を正面に合わせると

「違うの?」と、搾り出す様に呟いてから、切なげで寂しそうな表情をする…のはカカシの常套手段。

「………ううん。違ってないってばよ」

わかってても、それに引っかかってしまうのはナルトのカカシに甘い所
そう答えてから、ナルトが頬を染めながらにっこり笑うと、カカシから不意打ちにキスをされてしまう。

「――――――――――――っ!」
ナルトは思わず、先ほどより更に真っ赤になって手で唇を覆う
「今日は、オレの任務も無いのvだから、ナルトんちでお泊り!…ねv」

二の句がつげないで点目になっているナルトに、カカシはにっこりと笑うのだ。


そんなこんなで、今日はこんな雨の日。


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FIN

後書き:カカシってば、甲斐甲斐しくお世話されてる(笑)ナルトの方が幾分か精神的に大人な気が…一応、微妙に関係が進んでます(笑)04.6.28