Fool's Paradise

一つ前に戻る

by.石礫


朝のまどろみの中…カカシは何時もの如く腕の中にいるナルトに擦り寄った…

「ん?」

何故か、ナルトの匂いはするが、
触り心地が、どうもナルトじゃないような…何か妙な違和感を感じた。

カカシは、確かめるように薄く眼を開ける

向けた目の先に見えたのは…長い金色の髪に、豊満な胸の…………女性…?

「…」
もう一度目を閉じ、眼を開く
「…」
繰り返し
「…」

「!?」


背筋に寒気、そして、嫌な汗が…



「ええええええぇぇぇっ!!」

カカシは、思わず飛び起きた!横を確かめるが、何度見ても隣には見知らぬ女が寝ている。

「嘘?な、な、なんで?…えええぇ?全然覚えがないんですけどー」と焦りだすカカシ…

その時、
寝ていた筈の隣の女が肩を震わせて…
「…プッ!…きゃはははー!!引っかかった、引っかかった!!」と、笑い転げていた。

「へ?」

首をかしげるカカシ…よくよく見ると、その女の頬に三本ヒゲの痣がっ!


「おっしゃー!大成功っ!!」と、…ガッツポーズを決めたのは金髪碧眼の…


「ナ、ナルトッ?!」


「おうっ!」お色気の術仕様のナルト…その人であった。



ナルトの悪戯だと、わかったせいか、あるいは安堵のせいか…項垂れてるカカシ。

「お前さぁ…朝っぱらから、何やってんの?」
「ニシシシ、カカシセンセェ〜今日は何月何日だ?」と、ナルトは笑ってる。
そう聞いて…壁にかけられてるカレンダーを見やるカカシ。………今日は、4月の…


「4月2日だけど」


「えっ!ウソ!?オレってば、ちゃんと確かめてからっ…」
「なーんて、エイプリルフールでぇす。」

「……ちょっとぉ!もー!!こっちが日にち間違ったかって、ビビッたってばよ」


そういえば、解くタイミングを逃したか、ナルトはお色気仕様のままである。
…カカシは、何か考え込んだ顔をしてから、そんなナルトの手をとると…
とても真剣な様子で、「ところで…物は相談なんだけど…」と、切り出した。

「…なに?」その真剣な様子に何を言い出すのかと、固唾を呑むナルト…


「こっちの初めても…オレにちょーだい。」

カカシは、自分の中の最大級のエロヴォイスで囁いてみた、
その声を聞いて…ナルトは照れたように、カカシから眼を逸らし…

「……カカシ先生………」

「ダメ?」

ナルトは頬を赤らめ…こう言った…



「ダメに決まってんだろうがっ!!このエロ上忍が―――ッ!!」
その言葉とともに繰り出された正拳は、カカシにクリティカルヒットしていたのであったとさっ。

FIN

後書き:エイプリルフールカカナルコ?ネタでした。…拍手以外でナルト文打ったのは久しぶり…ま、リハビリ文?(苦笑)10.03.27