Star that reflects to water

一つ前に戻る

by.石礫


湖の上を歩いてる

「Bランク任務とか言ってたけど…結局、上忍級の敵だったし実質Aランク任務だったってばよ」
「やだった訳?」
「やじゃねーけどさ。…修行になるっちゃなるし」
「五代目は、ナルトには甘いモンね」
「そんな事ねーって、むしろ、オレってば、ばあちゃんにこき使われてる気がする。」
「あー。火影様には聞かせらんねーね」

カカシとナルトの二人一組は任務帰り

「ま、少し早目に切り上げられたし、途中の旅篭に一泊でも…」
「いやいや、それはエンリョしますってば…」

ぐうううと腹の音がなるナルト

「もう、夕刻だし、ここらへんで野営にしますか」
カカシの提案に、ナルトは「うん。」と頷く


湖のほとりで、野営の準備
「あーあ、ヤマト隊長でもいりゃ野宿になんねーのに」
「すみませんね…役立たずでぇ。」カカシはしゃがみ込み地面にのの字をかいてる
「…ちょっと、カカシ先生!冗談だから!ああ!もーひがむなってばよ!」

軽い食事を終え…報告書をまとめとくと言うカカシをほっといて

ナルトは、湖を散歩…夜空を見上げる、とても星の綺麗な夜だ
足元の穏やかな水面にも、空を映したような星空が広がっていた


天の川の上辺で強く輝く星
「あれって、なんて星だっけな…」

「あれはべガ…七夕の織姫の星だよ」

「へー………」

相槌を打ちかけ…
物凄い近い距離にカカシが居たのに驚いてナルトは遠くに飛びのく
「おーい。なんで逃げんの?なんか凄い距離取ってるし」
「け、気配消してたから、ちょっとビックリしたんだってばよ…(ヤ、ヤバかったぁ…ばあちゃん達の言い付け忘れる所だったってばよ)」


綱手達に、任務中(帰りまで)は、その雰囲気にさせない!させてと言われても断固拒否!だ…と、ナルトはお達しを受けていた


「結界張るから戻って来いって呼びに来たんだけどな」
「ああ、そ、わかったってばよ」

二人の間を流れる沈黙…

カカシが沈黙を破るようにポツリと呟く

「オレ達、天帝に仲を引き裂かれ、天の川に隔てられた彦星と織姫みたいだね」
「え?」

自分達の間にある水に映る星は…天の川


「……っ…………ぎゃ…はははーは…キャラに合わねーって……」
ごまかす様に、カカシの言葉をギャグにとって返そうとするナルトだが
…優しくて、そして愛おしげな微笑をみせるカカシに、思わず、言葉を止めてしまう

ナルトの顔をじっと見つめているカカシ


声は出さず ナ ル ト と、動かす唇


音の無い声にナルトの鼓動がはね上がる


ダ、ダメだってばよ…目ェ逸らさねぇと…見たら……罠にはまる…


思う事とは裏腹に目がどうしても逸らせない

「この天の河を越えて…おいで」

カカシの声に、肌が粟立つ様にぞくりとする


今、向かい合う星の元へ行くのなら、ただ、済し崩しに抱かれるだけだ

…そう、わかっていながら…

星の川を越え…彼の人のもとへ…足が進む


FIN

後書き:七夕話。…実は某「黒…」の第一期ED映像が元ネタだったりして(苦笑)ああ。良い唄なのに…(ーー;)07.06.28