Reactive

一つ前に戻る

by.石礫


敵の刀を弾き飛ばし、カカシはすぐさま、その刀を掴むと、そのまま敵に振り下ろす。
途中で切っ先が引っ掛かる。カカシは舌打ちをし、柄から手を離し敵を後ろへと蹴ると…敵は動きもなく、そのまま倒れこんで行った

「…刀の手入れなってないよ。」
カカシが、そう呟いてると、今回の任務仲間の忍者がこちらにやってきた
「カカシ隊長。その敵で、最後だったみたいです」

「あれ?そうなの?じゃ、任務完了だね」

任務完了と言う言葉に仲間達から歓喜の声がわき起こった
「クリスマスに間に合う!。やったー!奥さんに怒られずに済む〜」
「オレは、彼女への光り物が無駄にならずに済みそうだ」


 …光り物ねぇ…ナルトの奴だったら『魚?』とか言ったりしそーだな…と、カカシは思う


もう里に帰った時の事を話し浮かれてる仲間達に、カカシは口調はやんわりとだが釘は刺した
「こらこら、帰るまでが任務でしょーよ。途中で迷って、のたれ死んだりしちゃったら…イヤよオレ」

カカシの注意の言葉に仲間達は引き気味。カカシのほうは「しまった」と思ってたのだったとさ…


―――


里に帰って来て、道すがら書いてた報告書を受付けに置くと、カカシはその足で家に向う事に

まだ、日が明けてない里は、気温が寒いのか吐いた息が白くなった
「うー寒っ…もう、24日かぁ…クリスマスプレゼント買えてなかったなぁ」

『プレゼント=光り物』と言う図式を思いだし…空を見上げてカカシは「んー」と考え込んだ


外から帰ってきたばかりのカカシ。
気持ち良さそうに眠っているナルトの顔を覗き込む。そろ〜と冷たい手が、眠ってるナルトの首筋に触れた。

次の瞬間、その部屋では劈くような悲鳴が上がった。

「目ぇ覚めた?ナルト、おはよー」

カカシの冷たかった手のおかげで、一気に目が覚めたナルトは怒り心頭だった
「なにすんだってばよ!!マ、マジで心ゾー止まるかと思ったてばよ!」

カカシはナルトの怒りもどこ吹く風とで、にっこり笑う

「あ、言い忘れてた。ナルト、ただいま〜」
カカシはただいまのキスをしてくる。カカシの行動にちょっとだけナルトは戸惑いつつ
「お…おかえりカカシ先生」と返すのだった

「じゃ、外行くぞー!」そして、ものすごく、いきなりなカカシの発言

「はぁ?…こんな朝早く?」とナルトは???っていう表情を見せる
「んー。性質変化の実験でもしてみない?」
「も、もしかして!修行だってばよ?!」

ワクワクという感じでカカシについて行く。屋根の上に登ると、日が昇りかけている
…今日の天気は晴れだ。しかし、日が出てきたのに普段より気温は低いようで…
外の寒さに、思わずその場で足踏みをしだすナルトだった

「さ、寒ーっ!先生!どんな修行すんの!」
「いや、ちょっとした実験だって……ナルト!」

カカシはナルトに手の平を向けてハイタッチという感じのポーズ
「ハイタッチ?」
その手に手を向けた瞬間…カカシの指先は…すすっとナルトの手を上方向に撫でる

「こんなふうに、風の性質変化を流してみて」
「…うん?」
ナルトの手に触れるか触れないかの位置でカカシは手を合わせた
「で、先生は水の性質変化を流します」
「ええー?カカシ先生って、水も使えんだ!!」

「まーね。はい風流す!」「おうっ」

風と水の性質変化が交じり合っていくと、二人の周りにキラキラした物が舞い始めた
「条件が近いから、冷やせば出るかなーって思ったけど…上手くいったみたいだ」

キラキラと舞う光の粒が、とても綺麗で

「うわぁ〜。なにこれ?キラキラしてるってばよ」
「『ダイヤモンドダスト』って言って…空気中の細かい水分が凍る現象ね」
「氷がこんなに綺麗になんの?」
「そう、細氷とも言って…日の光を反射して輝いてる様に見えてるの…外気温が氷点下10℃は越えないと、本当は出ない現象だけど…」
「冷やす…そっか!オレの風と、先生の水で、擬似的な氷遁作ったんだな!」
「うん。そーいう事。良く出来ましたv」


「メリークリスマス!…プレゼントの光り物」
「…なんか…カカシ先生が…キラキラに包まれてるみたいだってばよ…」
自分の瞳に映る物に心が奪われた


いつのまにか、性質変化をやってたのも忘れ、互いを見つめながらの口付けに陶酔していたのだが
寒さが肌に触れてナルトは…今、何をされてるのかを思い出した。

カカシを思わず跳ね除ける

「な、何すんだってばよ!もー!だいたい、寒いしっ!すんなら家ん中………じゃ、ねー!…す、すんなって!!」
「……あのさナルト」
「何だってばよっ?」

「ゴメンね……我慢しきれない…みたい。」

カカシにぐいッと抱き寄せられる。ナルトは何かに気づいたように…視線をすいっと下へ


視線を落としたまま、一瞬の間、思考が止まってた

「――――――――――ぎっ」

そして、再び…劈くようなナルトの悲鳴があがった。


Merry Christmas?


FIN

後書き:別に、某白鳥座の人の必殺技の事じゃないよ(苦笑)…雪より、ダイヤモンドダストの方が作りやすそうだったので光り物
擬似的に氷遁と似た物が出来たらイイなぁ。今回のタイトルは「反応する、科学変化をする」と言う意味(ーー;)06.12.21