My one and only love

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※七班時代の設定です

by.石礫


「サスケくん、受けとって」
サクラからバレンタインデーのチョコを渡されサスケは戸惑いながらも、それを受取っていた

ナルトがカカシに話しかけていた
「…あのさ、カカシ先生」
カカシは何?と言う顔してて、ナルトは、照れてるような顔を見せる
「えっとさ…その……カカシ先生さ…バレンタインの…」
バレンタインデーの話題に…もしかして!と、カカシは期待に胸を膨らませる

ナルトが本題を言おうとした瞬間、サクラが二人のほうに声をかけた

「なに?サクラちゃんv」
サクラに声をかけられると、ナルトは話はここまでと言う感じでサクラの方に行ってしまうのだった
「ちょっとナルト!話、途中!…言いたい事は最後まで言っててよ〜」

「はいナルト、義理チョコ」
「ありがとサクラちゃんv」途端に嬉しそうなナルト。

「カカシ先生にも、義理チョコです」
「あ、悪いけど…オレ、義理チョコは受取らない主義だから」
ちょっと不機嫌になってたカカシが、そんな感じに答えると
「あぁ?」
サクラが睨み付けてきて、思わず、ビクリとカカシと隣にいたナルトは怯える
「ご、ごめんなさいっ、ありがたくいただきます。(汗)」
「(サクラちゃん怖ぇよ)」とは、ナルトの心の声


「そ、そう言えば、ナルト、さっき何言おうとしてたの?」
「…んっとさ…その……カカシ先生って、いつも、チョコどのくれー貰ってんのかなって聞いてみたかったんだってば」

カカシは一瞬考えこんで、
「……オレって、あんまりモテないから、そんなに貰った事ないよ」
その言葉に、サクラとサスケは意外だと言う顔

「カカシ先生は、顔だけ良いって噂。なのにですか?」
「あんた、性格破綻者だからな」
「…容赦ないね君ら」


「そんな訳でナルト!ちょーだいよ、お前からの本命チョコ!」
カカシのその言葉に、ナルトは、ぼんっと音が出るくらい真っ赤になる。その反応にカカシのほうは、貰えると確信したのだが
「ぜってぇーーーーーーっ!やらねェ!!」
逆にナルトにキレられ、表情には出さずに心の中では、ヤバイと焦るカカシ
「じゃ、これからデートってのは?」
「んなのお断りだってばよ!それに、これから『人生色々』で待機なんだろ!とっとと行けっ!!」
ナルトに思いっきり断られ凹むカカシ。サクラとサスケは噴き出しちゃいけないと思いつつ…肩を震わせていた。


上忍待機所『人生色々』にカカシが入るなり、自分宛てのチョコが詰まった紙袋を差し出された

「何これ?」
「伝説を恐れないチャレンジャー達からだそうです。ここに置いてあると邪魔なんで持って帰って下さい」
と不知火ゲンマはカカシにその袋を渡す
「伝説って?」
カカシが聞き返してると、近くでコーヒーを飲んでた紅が思い出した様に

「聞いた事あるわよ。確か、十数年前…渡した女の子の目の前で、火遁放ってチョコを消し炭にしたってやつでしょ?」

「え?そんな事あったっけ?…ま、本命からしか受け取らないってーのに、しつこく食い下がったんじゃない…多分?覚えてないけど」
うわ、非道!とゲンマと紅は、カカシの言葉にあきれてしまう


部屋は甘い匂いが立ちこめていて、その匂いがカカシにはキツク感じてしまう
換気のため窓を空け、何を思ったかその窓からチョコを投げ捨ててしまう(袋を逆さにして)
ちょうど窓の下に中忍が歩いていて、彼はチョコの雨に降られた

「それ、オレにとっちゃゴミですが…欲しけりゃ恵んであげますよ。イルカ先生」
窓の下にはイルカの姿。
「なんて事するんですか!食べ物粗末にするなんて」
イルカが怒っている…良く見るとその1メートルぐらい後に誰かが…「げっ」とカカシは小さく呟いた

「もー!カカシ先生も、しょうがないってばよ」

ナルトがイルカのそばに居て、カカシがポイ捨てしたチョコを拾い出していた。それを見てイルカも拾うのを手伝い出す
カカシは、チョコの匂いのせいでナルトのニオイに気付くのが遅れてた

すぐに、窓からですが…下に降りて、カカシも二人と一緒に拾う事になる

カカシが「怒ってんの?」と、探る様にナルトに尋ねると
ナルトの答えは「別に怒ってなんてないっ」しかし、声のトーンには厳しさが

「こんなに貰ってて…モテないなんて、カカシ先生…ケンソンしちゃってーぇ」
「本命以外にモテても、しょーがないでしょ。…直接じゃ断られるの知ってて、間接的に渡してくるのって失礼だと思うけど」
「…相手の気持ちが篭ってるの、捨てるほーが相手に失礼だと思わないの?」
「本命からじゃないのを良い顔して受取る方が、よっぽど失礼でしょ」
「…」
「本当に欲しい人からは…「絶対、やらない」とか言われるし」
「……カカシ先生。…あのさ」
何か言いたげに見詰め合う二人。良いムードの空気が流れはじめる

それを、ぶち破るイルカの言葉が
「ナルト、これ拾い集めたら、オレと一楽食べに行こうな。オレの奢りだぞ!」
「おおっvv」喜びのトーンに変わるナルトの声

「姑息。」ぼそりとカカシがイルカに対して呟く、イルカが睨むがサクラほど怖いとは感じなかった


「はい、これで全部!もう投げちゃダメだってばよ!!」
全て拾い終え、カカシがチョコをしっかり抱えてるのを確認しナルトは任務完了と言う感じにカカシを見上げると、視線が合い
再び、じっと見詰め合う二人…。良い雰囲気になりそうになると、また、見事に邪魔が入る

「おーいナルト行くぞ。今日は大盛り頼んで良いからな」
「わっ!マジかよ!イルカ先生だーい好きvv」

嬉しそうにスキップしてるナルトが帰り仕度のイルカの後に続く
そんなナルトの姿に、今日は踏んだり蹴ったりだとカカシは、かなり落ち込んでしまう

イルカの後をついて行ってた、ナルトが立ち止まり振り返ると、「カカシ先生!」と駆け寄ってくるではないか

カカシの前に来るとナルトはポーチを探り出す。
取り出したのは、ナルトが、普段、口にしない筈のビター味の板チョコ一枚

「やっぱ、あげる!…手作りとかじゃないけどさ。カカシ先生の為に買ったチョコなんだってばよ!」

ナルトがいつもの(真っ赤になってるが)屈託のない笑顔を浮べるのを見て、カカシは抱えていた多数のチョコを落とす

「なっ!なんでまた落とすんだってばよ」

ナルトがカカシが再び落としたチョコを拾ってるのを尻目に
カカシのほうは「本命チョコゲット!」とナルトから受取ったチョコを手にし、くるくるっと回ってた

イルカは肩を落とし
「…いい加減、目ぇ覚ませナルト」とポツリと呟いていた

FIN

後書き:カカシ先生が本命以外にはロクデナシな設定。多分、2月にはサスケ君居ないはずだが(-_-;) 06.02.14
以外に書き易いな「カカナル←イルカ」あ、イルカ先生は、ナルトを真っ当な方向に軌道修正させたいと思ってるだけですから