Tell Me About Yourself

一つ前に戻る

by.石礫


カカシに与えられる快楽や、痛みや、その熱さも、
受け入れるナルトにとって苦になると言えば、そうなるのだろうけど
例え、ナルトの事を激しく求めたとしても、いつでも、愛しいと言う熱をもった…その瞳を見ると、
やはり、ナルトも、カカシの事が愛おしいと思うのだ

明日は任務が休みの夜だったのに…カーテンの隙間から見える空は白い、
もう休みの日は、今日と言う日付になっているのだと思いながら…ナルトは眠りに落ちて行く


それでも、朝に起きるのは習慣…いいえ。もう朝と言うには少しだけ遅い時間に目が覚める

「………腹減ったってばよ」
腰や体が重い感じがするけれど…お腹と相談すると、食事を欲していると思われる

ナルトは、ベットの中からは、這い出さずにベットの上にある棚を探るように手を伸ばす。
多分、写真立ての前に、無造作に置かれてる筈だと、首飾りを捜す。
指で探し当てたが取り損ね、棚からそれは落ちて行く…しまった!と思い、落ちるそれを捕まえ様と手を伸ばすが
思った通りの動きが出来ずに無様にベットから落ちた

腰をさすりながら「あたたっ。もー!カカシ先生には、もう少し加減ってモンが必要じゃねーの」

首飾りの落ちていた場所の奥に、布に包まれた物があった
拾い上げた首飾りを首にかけてから、奥にあった物を引っ張り出してみる
「なんだろ?」
括られていた紐を解いてみると…小さな刀が入っていた。
それを鞘から抜いてみると、そこには、思ってたような刃が無く。
つまりは、刃が折れた状態でが出てきたのだ

「…折れてるってばよ」

「何が折れてるって?」
いつの間にか、目を覚ましていたカカシが声をかける
ナルトの手の中にあったのは、カカシが、千鳥を完成した時に折ってしまった、父親の形見だった

「あ。それ?敵との戦闘でさ、折っちゃたんだよね」
ベットに腰掛けると、カカシは無言で、渡してと手を出す。ナルトから、刀を受取ると大事そうに仕舞いはじめた

「…そんなに大事な物なんだ?」
「ま、父親の形見だからね」
「形っ……ごめんなさいってば…そんなのって知らなくて…」
「父親がこれで腹掻っ捌いたんだけど、これしか遺してくれなかったし…捨てるって訳にもね」

カカシの言葉に、ナルトは顔色を悪くし

「あっごめん。やっぱり、引くよね。こんな話…」
「どうして…カカシ先生のとうちゃんは?」
「んー。任務失敗した時に…色んな重圧があってね……それを苦にしたみたい……」

カカシは、…ナルトに哀しい顔をさせない為にか、細かい部分は端折って語り
ナルトもカカシの態度から、言いたくない部分がある事を悟る

「なんで気付いてやれなかったんだろうって、今も後悔してる。ま、そうゆー事なんで…仕舞ってたって訳なのよ」


「カカシ先生…」
…背丈は縮まったと言えども、それでも、まだ体格差があるから、しっかりとは、この人の躰を抱きしめる事は出来ないけれど
ナルトは…カカシの心を包み込む様に抱きしめたいと思うのだ

だから、抱きしめる代わりに、優しく抱き付いた

FIN
後書き:外伝の時、サクモさんイメージ…で受けた印象が…掻っ捌くだったんですが…もし、あのチャクラ刀でだったらと言う発想から
…ごめんなさい<(_ _)>…あ、余談として服着てないって事で←オイッ、そこで落とすんかいっ!06.02.08