Kissing under the mistletoe

一つ前に戻る

by.石礫


忍者学校に行くと、木ノ葉丸や同期の下忍達がクリスマスの飾り付けをしていた

それを見て、ナルトも飾りたいと買って出て
下忍達の担当上忍や、イルカが、これを飾るのは下忍達の仕事だからと言うと

「なーに言ってんだってばよ!オレも下忍だってばよ」とイタズラっぽく笑うのだ

「スミマセン、言いだしたら、聞かなくて」とサクラは先生達に謝る
「何やってんの?」と、カカシもやってきて



「曲がってねェ?」と壁に張り付きながら飾りつけの位置を確認している

そんなナルトを、下忍達が頬を赤らめ、憧れの表情で見つめてる…。それに酷く嫉妬心を覚えるカカシ。

こんな事じゃ…ナルトに「カカシ先生は大人げない」と言われるとは思っても…やっぱりムカついてくるので
『どうにか、恋敵になり得る人間を全て潰せない物か』と、飾り付けをして居るナルトを見ていた


飾りをきちんと固定すると、ナルトは張りけていたチャクラを外し床に降りた

「あ、カカシ先生。」

その声に応えるように、にこやかに笑うとカカシは、ナルトの頭上にある飾りを見る。
「昔、こう言うのやらされた事あるよ。ま、あん時は、担当だった先生が、面白がって、任務受けたらしいけどね」
「ヘー…先生が下忍の時も、こんな任務あったんだ」
「いや。下忍じゃなかったけどね。」

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「先生、何でこんなDランク任務受けたんですか?」
オビトが、自分達を担当する上忍に尋ねた。すると金髪のその青年は楽しげに、こう答えるのだった
「ん。だって、楽しいでしょ。パーティの準備だよ♪」
「…だったら、ボーっと突っ立ってないで、先生も手伝って下さい!!」
カカシは、先生に遠慮も躊躇もなく注意をし。リンは、苦笑いをする。

何時しか、楽しそうに飾りつけをしている三人の姿に、担当上忍は微笑んでいたのだった。
…そうして、全てを飾りつけ。何か不備がないかを確認すると、全員が担当上忍の周りに集まった

「ほークリスマスか?」
そこへ、白髪の大男が現れた
「あ、自来也先生」

「もう、こんな時期なんだな」
自来也と世間話をして、カカシ達の担当上忍は、今、気づいたように喋り出す

「あ。そーだ!みんな知ってる?宿り木の下にいる人にはねぇ キスして良いんだよ」


全員が彼の頭上を見た。

「ん。だから、みんな!宿り木の下に居るオレにキスしても構わないよ……って、なんで、そこでヒクの?あー自来也先生まで」

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「最初は「受けるべき任務じゃ無い」って、文句言ったんだけどね…結局、最後は先生の思惑通り、みんな楽しんでたんだよ。」
「ふーん。カカシ先生の先生って、なんか、カカシ先生達の事、すっごく思ってたって感じだってば」
「………うん。」

不意にナルトがサクラのほうを見ると、彼女が何かのジェスチャーをしてるのに気付いた
「……「逃げろ」かなぁ?…それ、どう言う意味だってばよ」
「宿り木の下にいる人にはキスして良いって決まりだからねェ…こんな所でイチャイチャするなって意味じゃないの?」
「…宿り木の下は、キスして良いって決まり?」
ナルトはさっき飾った物を見た
「あ。そーいや、これってヤドリギって飾りだってば……………っ!?」

そう言ってから、カカシの言った『宿り木の下に居る人にキスして良いって決まり』に、ナルトは一瞬に血の気が下がった気がして
怖い物見たさでカカシの顔を見ると、ニヤリと笑っているのがわかり、ナルトには、これから何をする気かは、一目瞭然で…。
「わっ、わっ!ちょ、ちょっと、それはヤダってばよ!」ナルトはその場から逃げ出そうとするが、宿り木の下を外れる前に腰を抱きこまれて
「あ。ちなみに、このキスは、される人から断る事は出来ませんので」
「―――――――っ」


ナルトに好意を寄せていた子供達は、カルチャーショックを受け、他の先生方からは、教育上宜しく無い等の非難轟々
そして、サクラはあきれていた

「未来の恋敵を、先に潰そうってのが……ホント、大人げないわ。」



その帰り道。カカシは何かを見つけ立ち止まると、頭上を見ている

「ほら…この木の枝の所」頭上を指差すカカシ。

木の枝にコブの様に見える…のは
「…これって、宿り木?」

赤くなっているナルトに、カカシは緩やかに微笑む

「……しろって意味だってばよ?」
「そーだねぇ。そー取ったんなら、さ、どーぞ?」

一瞬の沈黙。

「うーーー。カカシ先生の思い通りになるのはムカツクってばよ」

と、呟きながらナルトはカカシに唇を寄せた


FIN

後書き:伝承を調べた所…最初にキスするのは反対色の髪の人という決まりもあるらしい(金髪の人には、黒とか茶とか暗い色の髪の人)
…ナルトのまわりに、黒髪が沢山居ます(笑)けれど……(゚_゚>)ま、金と銀なら…反対と言えば反対だし(ーー;)まっ、いっか(苦笑)05.12.15