Autumn leaves
by.石礫
道に敷き詰められた紅葉の踏む音
紅葉の雨が降る道を、君の歓声を追いながら歩む
赤い葉の雨。…それを掌に乗せると
傍と掌に別の赤が過る
…しまった
今は、思い出したくないと思っていたのに
不意に蘇ってくる父の記憶
それを思い出すと、さっきまでの風景が、異質な物へと変貌して行く
後を振り返れば…今まで進んできた血に染まった道があり
前を見れば…これから進む道も血塗れである
そして、血の色をした雨が降る
遠くでオレを呼ぶ声がした
目を凝らすと、喪った筈の過去の金色が赤の世界に現れた
「…せ………?」
過去の金色だと思った時には、それは今の金色に姿を変え
「………ナルト?…」
金色が雨に赤く染まる様に見え…全ての世界が閉じて行くような恐怖を感じる
「カカシ先生!」君のオレを呼ぶ声が聞こえる
世界に君が出現した事を見とめると、赤の世界は元の世界に戻って行った
君に、手を伸ばして確かめる
「ちょ…なんだよ!なんで抱きつくんだってばよ」
君が、今在るのかを確かめる
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後書き:…秋物を書いてないなぁと…(^_^;)05.11.17