Fly me to the Moon...together

一つ前に戻る

by.石礫


「お団子とススキを飾ってと…先生!お月見だってばよ!」
「ずっと聞いてみたかった事があるんだけどね」
「何?」
「ナルトって、修行でオレに会えない間、少しは泣いた?」
「な、泣く訳ねーだろ!!」
「相変わらず素直じゃないねぇ」
「…なんか、ムカツク」
「中秋の名月だね」
「うん、キレ―。……やっぱ、カカシ先生みたいだってばよ」
「オレみたい?そりゃまた…どーして?」
「ん。オレってば、カカシ先生が月に似てるなぁって思う時あってさ、寝る前に月見てっと、先生に会えたって、気ぃしたんだってばよ」
「……へー…」
「…だからさ、オレってば、いつも先生が見てるんだーって思って、修行頑張ってこれたんだってばよ」
「そう言えばさ、知ってる?月の光は、太陽の光を反射して輝いてるって」
「?」
「オレが月なら……オレは、ナルトと言う太陽が居なきゃ輝けないよ。」
「な…何言ってんだってばよ…先生、キザ過ぎ」
「………会えない間、ずっと寂しくってさぁ…」
「だからぁ、オレってば、泣く訳ねぇし!」
「……オレは、眩しくて、暖かい太陽の光を思い出しては、何度も泣きそうになった」
「え?」
「この光が届かないから…輝きを失った月は真っ暗だったよ…ずっとね」
「…カカシ先生。」
「やっと、月は輝きを取り戻せた…やっと、満ち欠けが出来るんだ。オレの前に太陽が戻ってきてくれたからね…」
「………」
「ナルト?」
「…こ…れ…からは、ずっと…傍…居…から…も…寂しっ…無…って…よ」
「朧月だね。」

「白銀の世界で…夜空の月まで飛んでみよっか、一緒に」
FIN
後書き:中秋の名月…比喩表現の会話劇。ナルトを太陽。カカシを月に例えるのって、ありがちですが(苦笑)05.9.07