家庭訪問

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アニメ第83話でのカカシティチャーの住まいを見て「寮!?」と思ったので、
とりあえず、アニメ設定の家で、テーマは「もしも、カカシ先生が独身寮に住んでいたら」(笑)

04/5/20 by,石礫


「ここが!?カカシ先生の住んでる所だってばよ?」
「……『上忍独身寮』…まんまね(笑)」
「行くぞ」


上忍待機所『人生色々』がある敷地内の一角にある『独身寮』と呼ばれる建物の前にやってきた7班

今日の7班は、任務が無い。担当の上忍も任務が無いそうだから、カカシ先生の所にアポ無しで尋ねる事になりました。

『受付』と書かれた所で、「訪問先と訪問の理由と代表者の名前を書いて下さい」とノートと鉛筆が渡される
サクラが名前を書いてから、部屋の番号を尋ね。カカシ先生の部屋の前に来たら、部屋の戸は開き
「やー諸君。今日はどーしたのかなァ」
にっこりとカカシに迎えられ(しかも、いつものマスクと額当て装備)『ちィッバレてたかっ』と焦る7班だった…
「「「……ぶ、部下によるアポ無し家庭訪問(だ。)です。)だってばよ!)」」」


机と本とベット。壁に、決して、その趣味が良いとは思えない絵画などが飾ってあるが、何となく殺風景である
ただ寝る為だけにある部屋とも言える、カカシらしいと言えば、カカシらしい部屋である。

「独身の上忍達は、大体、こうやって寮に住んでるんだよ。常時任務に備えておかないとならないからねー」
「「「へー」」」
「あ、ここの隣のでかい建物が、くの一寮ね。一部屋ごとにトイレ風呂完備で男より優遇されてるんだぞ」
「…よく知ってるな。行った事があるのか」サスケは、率直なツッコミを入れる。
サクラは「先生、不潔です」と呟きつつ…内なる彼女は手で顔を覆いつつ隙間から覗いている様に興味津々である。
ナルトはきょとんとした顔して、直接的な意味を理解してなかったが、なので、ここは笑って誤魔化すカカシだった。


「あのさ、上忍になったら、今すんでる所から出ないといけねーの?」
「ううん。寮に住むのは強制じゃない、どこに住むかは自由に選べるよ。今の家から出なくても大じょーぶ」
三人はなるほどと頷く、

「って事で…」
「「「って事で?」」」
カカシの言葉をオウム返しする三人

「センセー、ナルトんちに、おしかけよーかなぁ?ダメ?」

「「「はあ?」」」カカシの発言に、そう言ったきり、固まった三人。

「いやー。ナルトの家って二人で住むには大きさ手頃でしょ、ここにも近いし」

複雑な表情のナルトと、残りの二人は『変態ドクサレ上忍!ちょっと、待て!』と内なる人格でツッこんだ

「先生…一緒に住みたいってば?」
「うん、うん。ナルトと住みたいなー。ダメ?」
ナルト以外のメンバーが吐き気がするようなオネダリ顔のカカシ、考えこむナルト。

「カカシ…あえて聞くが、オレ達がいる事忘れているだろ。」
「ま、気にしないで、わざとシカトしてるんだから」と、カカシは、弧を描いているが奥では笑っていない眼をしてにっこり

「ナルト…本気にしちゃダメよ、ここで「うん」なんて返事したら、あの変態に食われるだけなんだから」
「ちょっと、ちょっと、サクラ。仮にも、担当の上忍つかまえて、変態はないでしょ」
「本当の事ですけど…」サクラに睨まれ、うっと引いてしまうヘタレなカカシ。
「…食われる?何を食うの?」キスの知識はあっても、そういう事に、まだまだ、知識の乏しいナルト12歳(笑)
「「「……」」」

「えーと…それは…って、乙女に何言わせるよ」サクラは真っ赤になって少し逆ギレ
「わかった!先生が、手取り足取り腰取りナルトに教えてあげよー」
スチャ!!
サスケがホルダーから取り出したクナイを投げつけようと構えた
「んー。演習でもないのに、投げつけよーとする訳?しかも、ここ、先生の部屋だし。あんまり感心しないなァ」
カカシは軽い口調で、サスケの眼の前でクナイをブランブランさせてる。
「っ!」サスケの手から、クナイが無くなっていた
いつのまに取られたのかと、サスケは悔しそうに、カカシからクナイを奪い返し自分のホルダーにしまうのだった。

そんな騒ぎも気に止めず、また、しばらく考えこんだナルトは、勢い良く顔を引き上げ言った。
「………あのね、あのねっ!カカシ先生、オレんちよりサスケんちの方が広いんだ。」
「「「?」」」何故、ここでサスケの名前が?と首を傾げるカカシ、サクラ、サスケ。

「だから、オレんちより、サスケんちに行ったほうがイイってばよ!」

「「「………そんなん絶対ダメ!!」」」と、三人は、チームワーク宜しくハモって答えたのだった


話は変わり…、つつがなく、部下達による家庭訪問もイイ時間なので終了を迎えたのでした

「それにしても、ここ殺風景だってばね!そーだ。カカシ先生にオレのウッキー君あげる!あ、ウッキー君はオレのカンヨー植物!」

「やめとけ、コイツなら枯らすのがオチだ。」
「そ、そーよね。サスケくん!カカシ先生ならやりかねないわ」
「え、せっかく、ナルトがくれるって言ってるのにー。酷いなぁサスケも、サクラも…
ま、オレとナルトが同棲するようになったらそんな心配は無くなるけどね
「「まだ、言うかっ」」

「じゃさっ…オレも一緒にウッキー君のお世話をしてあげるってばよ。そしたら、カカシ先生でも枯らさないって!」
ナルトは確実に人の話を聞いて居なかった。

『自ら、食われに行ってどうする!』と二人は頭を抱えている。入れ食いだとニコニコのカカシ

「でも、いちいち受付に理由と名前を書いてくのよ」
サクラがなんとか救済しようとナルトに言う
「あ、そっか…それって、大変かも」
でも、腐っても上忍、カカシも負けていません
「だったら、ナルトに、ここの合い鍵あげる。それで、住人専用の通用口の結界を抜けてこれるから」

「結界あんの?」

「鍵を持ってると、そこは、ほぼ出入り自由。それ以外は排除って性質のね。」

「「さすがは上忍の……つーか、合い鍵をやると言う所にツッこめ!!」」と、最早、ノリツッコミ状態のサクラとサスケ

とにかく、阻止せねばと二人は決意したが、何時、用意していたのか、カカシはすでに、二人の目の前で、合い鍵をナルトに手渡していた。

「「速っ!!さ、さすがは、里一の技師。」」と呆然とサスケとサクラは呟いていた。

「ね、だから、先生のお世話してねナルト。」
「うん。任せろってばよ!」と、満面の笑み

「…カカシ先生…植物の世話を!じゃなかったんですか?」
「セクハラ発言だ。」
「そー?」
二人の氷河期の様な冷たいツッコミに、ふてぶてしい言い方でカカシは反応を反した。三人は冬の最中。
カカシから貰ったパックンのキーホルダーがついていた鍵。そのキーホルダーに自分の家の鍵もつけてみて微笑む、一人で春のナルトだった。


FIN

後書き:アニメは一部屋だけで、寮っぽい(原作は、他に部屋あるみたいだし^_^;)……んー、でも、設定として、いけるかも独身寮っ!
一応、カカシ先生、公私は分ける?これは「私」。大人げ無さ過ぎます(爆)可哀想なサスケとサクラ…(^_^;)
カカシ先生の観葉植物ウッキー君は、ナルトからの贈り物?と言う話があるから、話に盛りこんでみた。後はパックンのキーホルダーか?
…時間設定は…強いて言えば、波の国の後、中忍試験を受ける前までに…まー、ナルトが幸せならそれ良いんです(笑)