Word of love

一つ前に戻る

by,石礫


集合場所に着いた

「グッモーニン!サクラちゃん」
ナルトが元気良く挨拶。本を読んでいたサクラに気が付いた

「チョコレート菓子の作り方?」
「バレンタインデーだから…義理チョコでも作ろうかなって?」
「……好きな人にチョコあげるかぁ」
好きな人と言う言葉に、サクラの雰囲気が沈む。
「うん。好きな人にね」
サスケを思い出しちゃったんだと気付き、密かに慌てながら、ナルトは話題を逸らす

「あ!あのさ…サクラちゃん…オレってばさ…カカシ先生にチョコあげても良いかな?」

「え?」

「ほら、先生ってば、オレと付き合ってるんで…女の子にチョコもらえないかもしんないし!」
「…………(まあ、カカシ先生だったら、例え、貰えても断りそうね)」

「あ、やっぱおかしい?男からやるのって?」
「バレンタインデーが発祥した国では、男の子からって話だし、別にあげても良いんじゃない?」
「ホント!やった。じゃ、サクラちゃんの義理チョコ配りに便乗させてもらうってばよ」


カカシが恒例の如く遅刻してきて、遅刻の理由に「はい、ウソ!」と二人はツッコミ。
高ランクの任務をこなし里に戻ると

サクラとナルトは材料を買いに走る

ハート型のチョコの前、ナルトは悩んでいた。
「なーに?ナルト、何も書いてないじゃない」
「…ん。どーせなら、インパクトある言葉書きたいんだってばよ」
「本命チョコなんだから「スキ」とか「I LOVE YOU」とかは?」
「うーん…」

ナルトは何かを思いつき、上に文字を書いていった
「………良しっ。これでどーだ!!」
「…あ…あんたね…いくらなんでも、それはないと思うけど…」その書かれた文字にサクラは少しあきれていた


‐2月14日‐

ナルトとサクラは義理チョコを配って行った

ナルトのほうは、性別関係なく色んな人からチョコを貰ったのである。

「オレもチョコ貰えるなんて思わなかったってば」
「そりゃあ。ナルトも一応、男の子なんだから」
「一応って…」
「それにしても、たくさん貰ったわね」
ナルトが貰ったチョコは大漁だった

「はい、これ。私から」とサクラはナルトにチョコを渡す
「あ、ありがとうサクラちゃん」


カカシの所に行く二人
「カカシ先生。これ、私から。勿論、義理チョコです!」
「…ああ、ありがとねサクラ」と、カカシはサクラからのチョコを受取る

「じゃーね。ナルト。しっかり、やんなさいね」とサクラ退場。


「はい、カカシ先生。オレから」
ナルトからチョコの入った箱を受取るカカシ「わー。ありがとナルト」と喜んでいる

「絶対、中は一人で見るってばよ!」
「ああ?」

カカシにっこりと笑い、ナルトの目の前に、ラッピングされた箱を差し出す
「ナルトから貰ったから、オレからもあげるね。バレンタインのチョコ」
「ありがとだってばよ!あ、オレ、先に帰ってるね!」


家に帰って、ナルトはカカシから貰ったチョコのラッピングを剥がすと出てきたのは
「あー。すげーオイシイって噂の高級チョコ店のだってばよ!!」
ワクワクしながら、一つ、口に放りこむと、本当に噂通りにおいしくて…幸せって顔になるナルト


その頃、カカシのほうは

「一人で見ろって言われたけど…」
そっと、蓋をあけてみる。それを見て、屋根の上に居たカカシは大笑い

その大笑いに気がついて屋主が屋根の上を覗きこんだ

「あ!カカシ先生!オレ、一人で見ろとは言ったけど…なんで、家の屋根の上で見てるんだってばよ」

「だって、ナルトは場所までは特定してなかったしー」
「……ああ言えばこう言うし!しかも、大笑いかよ」

「ごめん、ごめん…書いてた文字がツボだったもんで」
「な、それ、結構インパクトあんだろ?」
「ん。ホント、これは、文字通りの「本命!」チョコだからねぇ」


カカシは、貰ったチョコをほんの少し齧る
「………そんな甘くないし、オレ好みの味。」
「え、マジ?よかった!」

FIN

後書き:ナルトの書いた文字は「本命!」でした。女の子からあげるのは日本だけだと言う話。…これ、根底に流れてますサスサクがっ!05.2/10