A good man is hard to find

一つ前に戻る

by,石礫


冷たい視線に気が付く

オレと手を繋いだカカシ先生に向けられる冷たい多くの目が怖い

冷たい声に気が付く

自分よりもカカシ先生の事を悪く言う多くの声が怖い


だから、握ってた手を放そうとすると、もっとぎゅっと強く握り返され
指先と指先で絡められた…これは恋人同士の握り方だとカカシ先生は笑う

「気にし過ぎ」
「…でも」
「なんで、一緒にいるの?」
「……なんでって?」
「好きだからでしょ。」
「…うん」
「だから、好きって気持ちに周りなんて関係無いんだよ…」

カカシ先生の言葉は嬉しいけど、…ブルーな気分は抜けないってばよ。


心の中でブルーになってヘコんでたら、いきなり抱き上げられて先生に耳元で囁かれた

「実はさ、オレは里の人間が大嫌い」


カカシ先生の意外過ぎる言葉にオレは、ただビックリ

だって、里一の上忍って言われてるのに…
オレのせーで、そう言ってるのかなって、ちょっとばっか、思ったけど
どうやら、…カカシ先生の言葉は本気みたいで…

「あー。里は好きだよ。でも、住んでる人間は最悪なんだよなぁ。良い奴なんてホンの一握りだし」

っんな訳で…先生にとっては、周りは全く気にもしてないし、どーでも良い事らしかった。
そして、先生はにっこり笑い、とんでもない事、言ったってばよ

「ね…ナルト…今、キスして良い?」
「えっ、ここで!?」

カカシ先生の言葉は疑問系のわりに既に決定で
でも、そればっかりは…っ!!

相変わらず、周りでは冷たい視線と声もしてるし…カカシ先生ファンの女の人のヒソヒソしてる声だってあるってば!!

「先生!ここ、外だってば!!それに、人がジロジロ見てるってばよ!!」

オレが言っても、「もー。照れちゃって」って先生は笑うだけ

じゃ、キスしようと、オレを熱い目で見る…そんな熱い目で見つめられるとキスされても良いかなって思えるから、ついつい、目を閉じて
…気がついたら、二人っきりの時にされるよーな訳がわからなくなるキスをされてる
このまま流されて、されちゃうんじゃないかと、一瞬よぎってたら

偶然、通りかかった激眉先生にそんな現場を目撃され
激眉先生はテンションが高く大声で叫ぶから

さすがのカカシ先生でも、そこそこに切り上げてくれたので、オレとしては、ちょっとホッとした。


里の人が嫌いなカカシ先生でも、たぶん、この激眉先生は、カカシ先生が良い人だと思っている一握りの人だと思う

「あればっかりは、青春と言う感じでも無いぞ」
とか言われるけど、こっそり、カカシ先生は笑ってる。そして、オレにだけ聞こえるぐらいの小さな声で言うんだってばよ

「ね。ナルト逃げちゃおうか?コイツの話、長くなりそうだし」

オレの返事も聞かず、カカシ先生はオレを抱えて屋根に飛びあがり逃げ出した…行先は多分、どっちかの家

「おいっ、まだ話は!!」

そんなの聞こえなーいとばかりのカカシ先生にオレもうっかり笑っちゃった


抱き上げられたまんまのオレは先生にギュッと抱きついたら、カカシ先生は柄にもなく、ちょっと頬を染めて
なんか、そう言う反応を返されると、オレも何となくテレちゃうってばよ。

「カカシ先生、大好き」テレついでに告白すると

「オレも!」と即答だったってばよ

FIN


後書き:カカシの公式過去ってさ…いくら考えても、本気で里の為に忠義を尽くせるようには思えんが?
逆にかなり憎んでそうだし…やっぱ、ナルトの為にのしあがったのか(笑)…ナルトが火影になる為の露払い狙いか…なるほど(05.01.26)