Someone like my honey

一つ前に戻る

by,石礫


しくじったな…

切られた所からひどい出血をしてる

…もう少しで、あの子が里に戻ってくる三年が来るって言うのにこんな所で…




あの子が修行に出てからS級ランクの仕事を重点的に受けてた…強くなりたいから
強くなれば、少しでも、一緒に居る時間を増やせるでしょ

…きっと、あの子はオレが驚くほどに成長し
いつか、オレが足を引っ張るようになるんだろうけど…


一緒に居る為に…強くなる為に…また傍に居れる様にする為だったのに…こんな事って…


……止血試みたけど……全然止まんないや…


んー…こりゃあ…ダメみたい


…ナルトの事、泣かせたくなかったのに…きっと泣かせちゃうね

ごめんね




もう一度だけで良いから逢いたいよ…

そして抱きしめたいよ…

…最期になるってわかってたら、もう少し君の笑顔が見ていたかったよ


ふと、意識が途切れる


「カカシ先生!」
目の前には、笑顔の君が居た
「ナルト、おかえり」
「ただいま!」


ナルトと再会する白昼夢を見た……あ、これが最期だとしたら…良い夢だった



…あ…もう、本格的に意識が消えそうだ…

ナルト…

ごめんね…もう逢えなくて



一瞬前に見た幻の君でも良いから、届いて欲しいと手を伸ばした


せめて魂だけでも……届けて欲しい…


……オレはナルトの事、愛してたんだよ…本当に















誰かにその手を強く握り返された…

「カカシ先生?」

握り返してくれた手の主は
とても、真っ直ぐな瞳をして、ひどく綺麗で…そして、ほんの少し大人びてるけど…
ナルトの声でナルトの顔をしてるんだ…


「地獄の鬼にしちゃ大サービスだなぁ…それとも、ここって天国な訳?」

なんだか、ナルト?は、変な顔したが、オレに近づいてくるその可愛い顔…オレは思わず目を閉じた

ゴッ

「いてーっ」
「いつまで寝ぼけてるんだってばよ!!」

なんで、オレ…ベットで寝てたんだ?滅茶苦茶デコいてーし
修行の旅に行ってる筈のナルトがどーしてここに?それに、なんだか大人に変化してるし…

「…………しかも、なんで頭突き?」


「今日は二人で上忍の新年会行くんだろ!!」
「上忍の新年会?なんで?ナルトは、まだ、下忍………」
「はぁ?もしかして、まだ寝ぼけてんの?」
「・・・・・・あ」


そうだ。

思い出した



…ナルトはもう上忍だ。

あれから…ナルトが修行の旅から帰って来て……もう数年も経ったんだ



あの夢は…あれは…随分前の事で

あの後、サクラの医療忍術のお蔭で助けられ

「カカシ先生、死ぬ気で強くなりたくても、ホントに死んだらナルトに二度と会えないでしょ!!そこんとこ本気でわかってんの?」

って怒られたんだっけ



「先生の遅刻で、綱手のばあちゃんに、毎回大目玉くらうのはイヤだってばよ」

「だからって、なにも頭突きする事無いでしょーよ、オレ、一瞬、記憶喪失になってたよ」
「うるさいってばよ!!こっちだって痛かったんだから!」


ナルトは、今や上忍で、六代目火影候補として日々頑張ってる、オレの相棒 兼 恋人v


FIN

おまけ

『大人げ無いカカシのついての小さな話』


「カカシ先生、この間の初詣で、イルカ先生に言ったような事、新年会で言っちゃ駄目だってばよ」
「ホントの事言っただけじゃん。『イルカ先生って正月を一緒に過ごす相手も居ないんですネ』って挨拶したぐらいで」
「ホントの事でも!!…良い大人が…ホント大人げない」

「新年会で、ナルトはオレんだーって叫びたいなぁ」
「……んなの、みんな知ってる事だろ?」

ナルトは溜息をついたのであった

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後書き:ごめんなさい…正月早々…一見、死にネタ(笑)オチはほのぼの(笑)…未来話で夢オチでした!ナルトのシリに敷かれてんす。05/1/1