ずっと友達だよ!・1
 
 
「と、いうわけなんだ…」
 私、空下くるみは、相談相手だった永野直樹君に、今日起こった出来事を打ち明けた。
 ここは、永野君の部屋の中。
 ふられた人、空下修一という人を私は好きになってから、何度か部屋に行ったことはあったけど。
 永野君の部屋は相変わらずきれい。
 お兄ちゃん…あ、修一君は私のいとこで、まるで兄妹みたいな関係だったから、私はお兄ちゃんと呼んでいたんだけど、そのお兄ちゃんの部屋とは大違い。
 お兄ちゃんもお兄ちゃんなりに自覚はしているみたいだけど、全然行動に移さないし…
 まったく、困ったものだよね。
「修一のこと、考えてる?」
 私の様子を見抜いたらしく、永野君が私にそう聞いてくる。
 そう、いつだって永野君はこうして私の考えを見破ってしまう。
 それは、他の誰に対してもそうなんだろうけど…
「きゃははっ!違うよ、もうっ…今話したばっかりだからって、永野君気を遣わせすぎだよっ!」
 わかってる、それが自分をごまかしているあからさまなウソだってことも…
 でなければ、すぐに相談なんてするわけない。
 だけど、そんな自分を否定したかった。否定したって、何か変わるわけでもないのに。
「ま、思いつめていないようだから安心ってとこだな。どうだ、酒でも飲むか?」
「うん、ちょうだい!」
 ちょうどそんな気分だった、けれど。
「おい、ちょっと待て。くるみちゃんは未成年だろ、まだ。今は笑うところだぞ」
「さっきもそう言われた…」
 そう、ついさっき…お兄ちゃんにも私がシャンパン飲もうって言ったら、そう返されたんだっけ…
「あ、悪い…余計なこと思い出させてしまったようだな」
 そう言いながら、永野君は高く積まれている本の裏側から、お酒のビンを取り出す。
「親にも内緒にしてるんだ、一応おれも未成年だから。でも今日は特別だろ。飲もうか?」
 永野君なりに、励ましてくれている気持ちがよく伝わった。
 初めてお兄ちゃん以外の人と過ごすクリスマスイブ。
 そのお酒の味は、やっぱりまだほんのり涙の味がした。
「えへへ、永野君…ありがとう。私たち、ずっと友達だよね?」
「もちろん、望むところだよ」
 永野君…本当に感謝してるよ。