事件…なんですが。情景描写まで行きつかないのは何故え〜〜♪(歌ってんぢゃねーよっ!!べしっ☆) くみくみ HP 2001/12/10 18:09
掛けられた言葉に。
同じタイミングで声の主にふたりの探偵は振り向いた。

そう。ふたりの…

「…コナン…くん…」

掴んだ腕をそっと解いた。
平次と同じ目しとるわ… 探偵の目。ウチの大スキな…

肩に背後からぽんと手を置かれる。

「蘭ちゃん…」
「大丈夫よ。服部くんがついてるし」
「そ…そうやね」
「それにあの子。こう言う場は慣れてるから…」
「………そう?」
「ええ。何も触らないで。誰も動かないで。って叫んだのはコナンくんだもの」
「……うん…」
「慣れていいものかどうかは別問題として。頼りになるのは確かなの…」
「ふうん…」

舞台を見上げれば未だそこだけにあてられているスポットの中に。
違和感なく存在する予定外の登場人物たち。
遠い…そう感じた。

「なんやフクザツやわ」
「ん?何が?」
「コナンくん。あんなに小さいのに。ウチよりずーっと平次の傍におる…」

 

 

「…何か不審な点でも?」

掛けられた言葉に振り向けば。格好だけの探偵が腰のひけた風情で…。それでも深々とした興味を目に宿して覗き込んでいた。

「不審な点?ありありの大アリやで」

その問いに答えながら。面白そうに片眉をあげて見せた服部は。跪いた姿勢のまま向き直ろうとした。
うげ…
手…手を離せっ…
く。首が締まるってんだよ!
声も出せず。苦しさにじたばたする…

「ああ。すまんvv ほら。おまえもこっちこいや」

軽々と…むかつくことに。オレの襟首を引っ張っていた腕をそこから外して腰に廻すと…その片腕だけでオレを抱き上げた。

「なっ…。服部っ」
「…暴れへんと…」

引き寄せられて…
「推理勝負といこやないか。工藤」
耳元を掠めるような囁きが耳に届いた。


なんてトコでまわってきたんだー!!煤i ■|||)といいつつ。逃げ猿っ♪(こら) くぬぎ HP 2001/12/13 15:33
「・・・は?」
「そやから、勝負や、工藤・・・」
オレが返した返事と。探偵役の返した「どこが不審なんです?」という問いかけがほぼ同時・・・。服部にとっては、オレとの会話の方が重要だったらしく、探偵の言葉は軽く無視された。

「・・・どや?負けたくないっちゅーんやったらやめとくけど?」
そう言いながら、にやりと返す不敵な笑みは自信の表れ・・・なのだろう・・・

「・・・受けてやるよ・・・・・・ただ、条件がある。オレが勝ったら、オレの言う事何でも一つだけ叶えて貰うぜ?」

たった一言でいい・・・お前の中の彼女の存在を肯定出来る『一言』を口にしてもらうぜ?

「それやったら。オレが勝ったらその条件はお前に跳ね返る・・・それでええな?」
・・・返事の代わりに挑戦的に微笑んで返す。コイツがオレに何をさせようとしてるかなんて考える必要も無い。オレが勝てばいい。ただそれだけの事。

負けない・・・

・・・負けられない・・・

胸の内で繰り返す言葉。刻みつける様に。

「あの・・・どうして警察まで・・・」
オレ達の会話の最中も、場の雰囲気を読めずに掛けられるその問いに。ついに服部が呆れて言葉を返した。
「あのなァ・・・こういう時は警察呼ぶ事になっとんねん・・・」
「そうなんですか・・・?」
「それが自然死で無いと判断出来た場合はね。例えば、病院で病気で亡くなった場合なんかは必要無いんだけれど」
精一杯のお子様スマイルと愛想でそう答えれば。「・・・どこか不自然なんですか・・・?」というその言葉。

あまりに無知で状況を把握出来ていない探偵役に、イライラしてきているのは服部も同じ様だった。

「・・・こないな推理劇する位やったら、それ位どっかで知識仕入れて来なアカンで?」

あ、はい、すみません・・・と素直に頭を下げる『ホームズ』に。ちょっと意識が遠くなった。

おいおい、仮にもその格好してんだろ・・・もう少し何とかならねーのかよ・・・と吐きたくも無い溜息と一緒に力が抜ける。

「ちょお聞いてええか?・・・それ、舞台衣装なんか?」
「あ、違います。これは自前で・・・。うちの劇団、皆衣装とかは出来る限りは各自で用意してるんです。こんなのは珍しいんでしょうけれど、その方が役作りにも生かされるから、って・・・貧乏劇団ですし、うち・・・」
「・・・って事はそれはアンタの服なんか・・・いつもそないな格好してるんか・・・?」
「・・・今日は探偵役だって事なんで・・・あの、これが何か・・・?」
「や、別に・・・」

「・・・お前のお仲間にはこんなんも居てるんやな・・・」
「・・・・・一緒にすんなっての・・・彼はシャーロキアンじゃねーよ。」
「何でやねん・・・?コスプレが嫌なんか?」
「・・・そんなんじゃねーよ。コスプレだって別に嫌じゃねーんだけど。してるからシャーロキアンだって考え方はやめてくれよな」
「は?」
言うてる意味が分からへん、ときょとんとする服部に。「やるなら完璧にやるのがシャーロキアンだよ」と。そう呟いて、彼を見た。

・・・おそらく、探偵と聞いたので『ホームズ』が出てきた。・・・彼はそれ位の知識でこの格好をしたのだろう。
古今東西、ホームズほどコスプレがしやすい探偵なんてざらには居ないはずだから。

鹿打ち帽とコート・・・パイプ・・・

ある程度似たこれらを揃えられたならば。ホームズを詳しくは知らない人でさえも、その3点セットで「ホームズだ」と思うだろうから。

「何や、機嫌悪いなァ・・・」
「・・・お前も。・・・勝負中だろ、気軽に声掛けてくんじゃねーよ」
そう言いながら、床に転がったワイングラスに顔を近づける。
・・・落ちた時のショックで少し欠けてはいたが、グラスはほぼ、その形を保っていた。そして、その縁には被害者が口をつけた跡が二つ・・・。暗転前に一度被害者が口をつけていたのは、誰もが見ている。そして、そこから眠る演技・・・ゆっくりと灯りが落ちていって・・・探偵役の台詞が入る頃には完全に暗転していた。

「ねえ、この死んじゃった人、お酒好きだったの?」
被害者の隣に座っていた男性に声を掛けると、ちょっと驚いた表情をしながら、「月島は酒は嫌いだったよ。飲めないわけじゃなかったんだけれど。・・・舞台で、演技と割り切った時くらいかな、口にしたのは・・・」といった言葉が返ってきた。
「舞台が真っ暗になった時、何かヘンな気配とかしなかった?誰かが近づいてきたとか・・・」
「・・・いや、特には・・・・・・ここ、周りがお客さんのテーブルで囲まれてるだろう?誰かが近づいてこれたとしたら・・・後ろの壁の方からだろうと思うし。・・・誰かが月島に近寄ってたら、お客さんの誰かだって気がつくと思うんだけど・・・」
そこまで言って、彼はふと気がついたかの様に向き直った。

「・・・って事は、オレが犯人だって疑われてるのかい?」

「可能性はたくさんあっても、真実は一つしかないよ。『すべてのありえないことをとり捨ててゆけば、あとに残ったのが必ず真相でなければならない』んだから」

「・・・ふうん・・・ボウズ、シャーロキアンか・・・」
「・・・・・・これが分かるって事は、お兄さんもだね?」
「まあね。・・・オレが敵なら、不足は無いだろう?」

にやりと笑ったその笑みに。「敵なんて無いよ。・・・真実を突き詰めていく。それだけ」と返すと。開け放たれた出入り口から、どやどやと人が入って来た。警察のお出ましだ。その中には目暮警部の姿もあった。