リレーはリレーでも障害物競走じゃないの〜(><。) つかさ 2001/11/20 13:50
からかいすぎただろうか?
いつもは大人顔負けの態度をとるこの少年に。
ついつい大人気ない態度をとってしまう。

その理由は。半分は誰かに似ているからだろう。
幼い頃からミステリーには目がなくて。
自信に満ちた態度で推理力を発揮する。
そんなあいつに。
重なる面影。

そしてもう半分は。そんなあいつと、なぜかいつも
連絡をとりあうこの少年に。
抱いてしまう感情。
おそらく・・・嫉妬。

だけどそれは小さなもの。
大切にしたい不思議な存在。

「明日何着て行こうかなあ」
立ち上がりながら、そうとぼけてみせる。
横目で覗き見ると。
「ありがとう!」
偽りのない笑顔。やっぱり子供なんだなと思い、
なぜだか安心する。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

翌日。
ディナーショーの時間までには戻るからと、一人で
出かけることにした。

そっか…蘭ちゃんはコナンくんに嫉妬してるのか… いいなあvvそれvv くみくみ HP 2001/11/20 19:06
12月になって数日。

まだクリスマスには何週間かあるというのに街はどこまでも賑やかだった。
ウインドウを飾る煌びやかで色鮮やかな装飾。『Merry Christmas!』と踊る文字。
その中に宝物のように飾られている商品たち。

愛しいひとへの贈り物として。ここで買い手を待っている。

見慣れてる風景。
そう毎年のこと。
変わらず今年も繰り返す。

でも…
今年はあいつがいない。

 

昨夜。
ディナーショーに行こう。と誘われて。少しだけ焦らせてみた。
困った表情が可愛くて…。なんて口にしたら怒るだろうか?

「ありがとう」

言われて笑ってしまう。
だって誘ってくれたのはあなたなのに。
お礼を言うのは私でしょ?
そう返そうとして…。でも言葉はでてこなかった。
あんまり嬉しそうで。

その笑顔に答えるものが私の中にはなかったから。

全部ね。
ぜ〜んぶ持っていっちゃったのよ。あいつが…

何処にいるんだろうね…
何してるのかなあ…

 

ショーウインドウのガラスに手をつけば。ひんやりとした感触が伝わってくる。

「寒い…な…」

中の品物からガラスへと焦点を移す。
映っているのは自分の姿。
やだ…。泣きそうな顔してる。
想いがふっと過るだけでこんなに心が乱れるなんて。くやしい…

と…

「あれ?」

背後で声がして。肩をぽんと叩かれた。

 

ご要望とあらばっっ!出でよ最強の肌の人っっ(強いのか・・・) くぬぎ HP 2001/11/21 22:24
肩に置かれたその手に驚いて。はっと振り向けば。知っている顔、馴染みの顔・・・。

「あ・・・」
小さく漏れたその声に。親しみを込めた笑顔を向けて。「ああ、やっぱり工藤のねーちゃんや」と。確認する様に言葉にする。

「なんや、一人なんか?くど・・・あのちびっこいの、は?」
コナン君の事だと。名前を呼ぶわけじゃないけれど。それがコナン君の事を指しているというのは、その笑顔が何よりの証拠。

そうか、そういえば・・・この人も。私の知らないどこかで新一と繋がってるんだっけ。

「待ち合わせしてるの。もうすぐ来ると思うけど。・・・服部君は?一人なの?」
「あー・・・うるさいのんが一緒や。ほら、あそこで靴見とる」

服部君の視線の先を辿れば。向い側の靴屋さんの中に、和葉ちゃんの背中が見えた。

「ねーちゃんも、今日この日のこんな時間にこないなトコ居るんや。例の新聞のミステリークイズに応募して当選した・・・そないなトコやろ?」
「あ、うん。・・・でも、新一は・・・来ない、よ」
言葉にはされなかったけれど。分かってしまう。
服部君の事だから。きっと、新一が来ると思って。それを期待して応募したのだろう。・・・もし、私に。彼と同じ能力があったのなら。・・・きっとそうするから。

「ああ・・・しゃあないやろな」

思いの他、あっけらかんとそう答えられて。ちょっと戸惑ったけれど。次の瞬間、やけに深く気持ちは沈んだ。

ああ、そうか。新一と服部君は見えない繋がりがあるんだから。

私には見えない『何か』が見える―・・・

・・・私と新一は。『幼馴染』なんて奇妙に脆い繋がりしかなくて。その姿を消した後も、それに縋る事しか出来なくて。・・・こんな事になるのなら。もっと素直に話せば良かった。もっとしっかり向き合えば良かった。・・・するのは後悔ばかり・・・。

「何・・・泣きそな表情してんねん・・・」
不思議そうに覗くその顔に、「そう?」と問い返すと。ちょっと困った表情をして。「工藤やったら元気にやっとる。そない心配せぇへんかて大丈夫や・・・」と。そう教えてくれる。

「ありがと・・・」
そう笑顔で答えるのが。それが精一杯だった。

ああ、泣きそう・・・と。息を深く吸い込んで。ゆっくりと、吐く。呼吸を整えて。・・・気持ちを整えて。

「・・・服部君もクイズに当選したんだね。和葉ちゃんとデートかぁ・・・いいね」
「あ、あれは勝手にくっついて来よったんや!」
ちょっと言葉がふらつく。・・・ごめんね。ちょっとだけ貴方達の事に触れさせてね?明るい気持ちにさせてね?
「そう?」
「何笑とんねん・・・」
「和葉ちゃんなかなか出てこないねー」
「ああ、なんや気になるモンがある言うて、・・・ここやったらディナーショーのホテルの目の前やし。時間ギリギリまで粘るて」

紳士靴も。女性用の靴も。ずらりと並んだその店は、園子と前に来た事がある。・・・結構遅い時間まで開いているのは園子から聞いてる。

「・・・あのお店、確か閉店時間11時なのよねー・・・ディナーショーが終わった後でも開いてるよねー、きっと。・・・和葉ちゃんにプレゼントしてあげたら喜ぶだろうなー・・・」

「・・・・・・・・・何でオレが和葉にプレゼントせなアカンのや・・・」

「ん?聞こえちゃった?・・・独り言。気にしないで、ね?」

ちょっと拗ねた様な服部君の表情に。ぷっと思わず吹き出して。「からかうんやないて」と注意された。

「まあ、無理すなや・・・。ツライ時は和葉でもオレでも言えばええんやし。力にはなられへんかもしれんけど、相談に乗るくらいやったらオレらかて出来るやろ」

うん。ありがとう。

・・・でも、きっとしないと思うから。・・・新一の大切な友達でもあり、コナン君をとても大切にしている貴方には、こんな話は出来ないと思うから。

言葉にはしなかった。・・・出来なかった。


和葉ちゃんが私達を見つけて。嬉しそうに駆け寄って来て。・・・コナン君が来たのはそのほんの少し後だった。

「げ」

と。小さな声をあげて。ちょっと引きつっている様に見えたのは気のせいだろうか・・・。

いつもなら、コナン君と服部君・・・私と和葉ちゃんに分かれるのだけれど。クリスマスの所為だろうか。服部君が和葉ちゃんの手をすいっと引いて。ホテルのエントランスへと向かった。

17 ふふ、ますます難しい展開になってきたね(^^;でも楽しそう♪ つかさ 2001/11/24 15:15
ポケットに忍ばせた紙袋がかさかさと、歩くたびになるのが気になっていた。
普段は癖でポケットに何気なく突っ込んでいる両手が、なんとなく手持ち無沙汰に感じられた。
落ち着かないが仕方がない。手を入れ袋を常に触れていたら、更に落ち着かないだろうから。

ところが。ホテルの前につくと更に落ち着かない状況が待っていた。

『なんでおめーがいるんだよっ!?』
と言いたいところを、蘭を前にして無理やり飲み込んだ。
「おう、ぼうず。遅かったやないか。待ちくたびれたわ」
『別に呼んだ覚えはねーよ』
と、声には出せず、にらみつける事で伝える。
ホテルの前で服部に出会った時点で東京にいる理由は察知できたが、いつも唐突過ぎて驚かず
にはいられなかった。

遠山和葉が服部の手をとってホテルに入っていくのを見て、自分も後に続こうと蘭を見上げる
と。蘭は二人の後姿を見て立ち止まっている。

その視線の意味が、なんとなく読み取れる気がした。
思わずその手をとり駆け出す。

「コ、コナン君?」
「僕達も早く行こう!」
走ってしまえば、熱くなった顔を見られなくてすむ。
小学生に戻ってから覚えた事の一つ。
卑怯だと思いつつも。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

会場に入るとまず目に飛び込んできたのは、淡いライトのあたる幕の降りたステージ。
ステージは半円形状になっており、そのステージを中央に円形のテーブルが並んでいる。
白いレースのテーブルクロス。クロスの中央には花が綺麗にいけられている。
会場全体はガラス細工の施されたシャンデリアが照らしていた。

「綺麗やなあ」
「思ったよりお客さん少ないね」
テーブルに案内され、4人でテーブルを囲んでからも、女性二人は会場をきょろきょろと
見回している。

19 いやあ〜ん。むずいので情景描写に留めてみた…べしっ☆ くみくみ HP 2001/11/27 06:30
「和葉…。うちはおのぼりさんですぅ…ていうとるようやで?」

ふふん。と鼻先で意地悪く笑ってみせたのは自称「西の名探偵」の色黒高校生だ。

「……だ〜れ〜が。おのぼりさんやて?」
「おまけに着慣れんもん着よってからに…」
「失礼やなっ!クリスマスのディナーやで?こんなんくらい当たり前やん」

胸を反らして見せられると…。些か目のやり場に困ってしまう。
屋外ではすっぽりとコートに包まれた彼女たちの姿態は寒い季節そのままに。特に目立った外見の装飾をするでもなし。地味といえばかなりそうであったのに…
受付でそれを脱いで。現れる隠れていた姿にたじろいだ。
細い肩を露にした膝丈のドレス。

おまけに。体の線がまる見えじゃねーか…
それで人前に出るのかよ…

服部ほど露骨にではないけれど不満。…というより不安になってしまう。

「なあ。ぼーず。おまえかてそう思うやろ?」

こっちに話を振るんじゃねー!

「そ…そんなことないよ。和葉ねーちゃんすっごく綺麗じゃない…」
「うわー。感激やわ。ほらみい!平次!!コナンくんくらい小そうてもこれくらいは誉めてくれるねんで?」

ふふん。とお返しのように笑ってみせた彼女のポニーテールがゆらりと揺れた。
服部が不服そうにこっちに目配せをしてきたが無視。
オレの意向も聞かず勝手に大阪の漫才コンビに加えようとしたおまえが悪い。

ふと。
隣の席の蘭が目に入る。

テーブルに両の肘をつき。開いた手のひらの上にちょこんと顎を乗せて目前の二人の様子に見入っている。
柔らかで。優しげな微笑を口元に浮かべて。
でもそれは何処か寂しげで…
蘭の内心が見えるような気がした。

見ていられなくて視線を逸らす。
こんな姿だ。
物珍しげにきょときょとしても周囲には不自然に映りはしないだろう。

テーブルは全部で20…あるかなし。
案内されて4人でひとつを占有するように配置されたのだからおよそ招待客は100…ということになるか。
推理を楽しみながらのディナーショーというふれこみだから。どうやらこのあまり広くないステージの上でそれは展開されるらしい。
それならステージ上の登場人物の動きや小道具の配置なんかも当然関与してくるわけで文句なく見える範囲…そうだなこれがまあ限度かも知れない。
服部までもが参加しているということは全国に向けてあの広告は成されたらしいから100…いや。当たったディナー券はペアということだから50か…
かなりの狭き門だったわけだ。

「そう言えばコナンくん」

唐突に話かけられて驚いてしまう。
先刻までの寂しげな様子が払拭されていたのは救いだったけれど…

「な…何?蘭ねーちゃん?」
「私しっかり記事を読んでなかったから解らないんだけど。どんな推理クイズだったの?」
「ああ…うん。いくつかの暗号文が並んでてさ。それを解くと8つのパスワードが浮かび上がってくるんだよ。さらにそれぞれを一定の法則で処理して整理するとあるひとつの文字が残るから。後はそれをアナグラムで…」
「なんだかややこしいのね」
「あ…そ…そうだね。でもボクが解いたわけじゃないからさ…」

あ…危ねーっ。つい推理方面の話になると自分を忘れちまう。
隣で何時の間にかオレたちの会話を聞いていたらしい服部がぷ…と小さく吹き出した。